Men's Fashion

ビジネススタイルになじむ「小径」時計8選

時計

Watch Special 2019(中)

2019.6.17

大きくて厚い時計のブームが長らく続いた反動か最近、センスの良い人たちの間で昔ながらの小ぶりな時計が見直されている。そうした流れを時計業界も敏感に感じ取っているようで、特に2019年は名門勢の多くがケース径40ミリメートルを割る新作をリリースしてきた。そのうち今どきのビジネススタイルとなじみがよいモデルを、ドレス系とスポーツ系の2カテゴリーに分けて紹介しよう。

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■ドレス時計は小径でよりクラシックな趣を増す

スーツスタイルとのなじみを考えればドレスウオッチは小径&薄型モデルが王道だが、「デカ厚」時計のトレンドを受けて近年は径40ミリを大きく超える時計が多くつくられていた。しかし時計デザインのクラシック回帰、さらに手首の細い人が多いアジア市場からの要望もあり、徐々に昔ながらの小径に回帰するブランドが増えている。19年の新作の中で特にお薦めのモデルを挙げてみた。

ジャガー・ルクルト
マスター・ウルトラスリム・デイト

マスター・ウルトラスリム・デイト 1238420 ケース:直径39mm、ステンレススチール、5気圧防水 駆動装置:機械式自動巻 税別価格:83万円   

腕時計のケースで1ミリの差はことのほか大きい。それを改めて教えてくれたのがスイス時計界屈指の名門マニュファクチュール(自社一貫生産体制を持つブランド)、ジャガー・ルクルトの新たな「マスター・ウルトラスリム・デイト」だ。

既存モデルは美しいデザインを壊さぬように実用的な日付表示を配したことで人気を博してきたが、そこから1ミリ、サイズダウンしたことで一層クラシックな気品がアップした。やや長めに改良されたインデックス(目盛り)や繊細なサンレイ(放射状文様)仕上げとの相乗効果でダイヤル(文字盤)の凝縮感も高まり、よりまとまりの良いデザインとなった感じだ。

ちなみにシースルーバック(透明な裏蓋)からのぞくムーブメント(駆動装置)「Cal.899/1」は、ジャガー・ルクルトが長年使用する「Cal.899」をベースとし、信頼性が高く評価されている。一見控えめながら、着用者のセンスと格を確実に見せつけるモデルだ。

A.ランゲ&ゾーネ
リトル・ランゲ1 25th アニバーサリー

リトル・ランゲ1 25th アニバーサリー 181.066 ケース:直径36.8mm、ホワイトゴールド 駆動装置:機械式手巻き、パワーリザーブ72時間 限定25本 税別価格:405万円

ドイツの古豪、A.ランゲ&ゾーネが長い休眠状態から突如よみがえり、「ランゲ1」を発表したのは1994年のこと。「時・分」と「秒」を文字盤中央から外してオフセンターに配置し、空いたスペースに特大の日付表示とパワーリザーブ(連続駆動時間)計を置いたフェイスは、個性的であるのと同時に荘厳な美しさをたたえ、たちまち世の時計好きの心をわしづかみにした。

「リトル・ランゲ1 25th アニバーサリー」は、そのランゲ1誕生25周年記念コレクションのうちの一作だ。ベースは1998年にデビューしたリトル・ランゲ1で、径はランゲ1より1.7ミリ小さい36.8ミリ。シルバー無垢(むく)製の文字盤に映えるよう、針やインデックス、日付を美しいブルーで統一したほか、シースルーバックからのぞくムーブメントのテンプ受けにもブルーで「25」のレリーフ彫りを入れるなど、随所が記念作にふさわしい仕様となっている。リトル・ランゲ1はもともと、そのコンパクトさが細腕になじむと日本では非常に高い人気を博す。中でも特別な1本が欲しいなら狙い目だ。