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繰り下げ強調、その陰に… 年金「新定期便」の読み方

2019/6/16

年金制度では受給開始を65歳より早めることも可能だ。定期便には60歳まで選択可能な点は書かれているが、その場合に年金額が最大30%減ることには触れていない。みずほ総合研究所の堀江奈保子主席研究員は「繰り下げで年金額が増える点ばかり示すのはバランスを欠く」と指摘する。

受給を遅らせる繰り下げを選んだ場合、「人によってはデメリットが生じる可能性があるが定期便はその点に触れていないので注意したい」と社会保険労務士の永山悦子氏は話す。

例えば年下の配偶者がいると年額約39万円が厚生年金に上乗せされることが多く配偶者が65歳になるまで続く。加給年金という。だが繰り下げるとその期間中、加給年金は出なくなる。繰り下げの結果、年金収入が増えて税・社会保険料負担が増す場合もある。

日本年金機構は加入者の節目の年齢(35、45、59歳)に年金記録の詳細版を封書で送る。繰り下げに伴う注意点は説明しているが、イメージ図で繰り下げのメリットを強調するデザインは通常の定期便と同様だ。

定期便には加入者が知りたいはずなのに載っていない情報もある。代表例が前述した年約39万円の加給年金だ。配偶者が年下で条件を将来満たしそうな人は加味して考えよう。その配偶者が65歳になると加給年金に代わって振替加算という上乗せが付くこともある。生年月日によるが配偶者に年約1万5000~22万円が生涯支給される。この振替加算も載っていない。

ねんきん定期便は夫婦であっても別々に送られてくる。社会保険労務士の原佳奈子氏は「世帯全体の年金についてより正確に把握したい場合は年金事務所に確認したい」と話す。

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