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ベトナムに渡った女子大生起業家 アジアで食育広める 合同会社ウェルネゾンジャパン社長 松岡奈々さん

2019/6/17

デザインの力で社会問題を解決したいという思いをもっていた小笠原さんは、初対面の松岡さんに、資本主義のあり方から、世界の課題をどう解決すべきかを一時間以上熱く語り続けた。2人は「世界を健康にして、ワクワクする社会を作りたい」と意気投合し、ウェルネゾンを共同で創業した。

■美大出身の共同創業者と二人三脚で考えたカードゲーム

栄養指導をしている幼稚園では日本の遊びを紹介することも

高校でベトナムなど東南アジアの栄養問題を知ったことや、平井さんとの出会いがきっかけとなり、当初から活動拠点はベトナムと決めていた。

現地調査をするなかで、ベトナムは伝統的には健康に良い食材や料理がたくさんあるのに、貧困層ではない人たちの間で栄養不足が起きていることに気付いた。しかも、肥満率も高い。「つまり、栄養に関する知識が不足しているせいじゃないか?」。ならば、楽しく栄養について学べる教材がいい。それも、あえてアナログなものにして誰でも使えるようにしよう。小笠原さんと2人で、こう考えるようになった。

カードという発想は、夜中2時ごろベッドの上にいてふと浮かんだという。「思いついたらアイデアが浮かんで止まらなくなって、深夜なのに小笠原さんに電話して一気に話した」

松岡さんのあふれ出るアイデアを整理し、ゲーム性も取り入れて楽しめるようデザインしたのは小笠原さんだった。「私は発想が広がりすぎるところもある。そこを小笠原さんが軌道修正してくれています」

カードゲームを使った食育プログラムやイベントが現在の収益源だが、「安定的に収益を得られるようにするのが、今後の課題」と松岡さん。ベトナムに移った当初は資金が足りなくて、「きれいな電子レンジが捨ててあるのを見つけて、拾って使っていたほど」と笑って振り返る。

軌道に乗ったとはまだ言えないが、独創的なアイデアが評価され、松岡さんは17年、ソフトバンクグループの孫正義社長が優秀な若者に資金を供出する財団法人「孫正義育英財団」の第1期生に選ばれた。

この最終選考会で、みずほフィナンシャルグループの佐藤康博会長が松岡さんのプレゼンを聞き感動して、「ぜひ直接会って話がしたい」と声をかけた。資金面のサポートではないが、「ベトナムにはみずほの拠点があるから、何か困ったら相談に行きなさい」と心強いエールをもらった。

「次はタイに行きたい。タイは少子化が始まっていて子供一人あたりの教育費は上昇する傾向にある。ビジネスチャンスがあるんじゃないかと思っています」。松岡さんの目はいま、世界に向いている。

(藤原仁美)

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