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チャレンジャー

ベトナムに渡った女子大生起業家 アジアで食育広める 合同会社ウェルネゾンジャパン社長 松岡奈々さん

2019/6/17

カードゲーム形式で栄養を学べる食育プログラムを展開する

農業には興味はなかった。だが、桂高校で様々な研究活動が実社会に生かされていることを知り、興味がわいたという。迷わず進学した桂高校で人生を変える1人目の出会いが待っていた。バイオテクノロジーの松田俊彦先生だ(現在は他の高校に転任)。何しろ熱い先生だったという。

入学した頃の松岡さんは、控えめで人前に出て発表するなんてとんでもないというタイプだった。京都の伝統野菜を自分たちで育て、スイーツとして商品化し販売するというプロジェクトにかかわるなかで、松田先生は少しずつ前に出て活動する場を提案して励ましてくれた。気づいたら、「私もできるかもしれない」と思うようになっていたという。

研究で野菜の栄養成分を知るにつれ野菜の可能性に気づいた。発展途上国の栄養問題を知ったのも高校の研究がきっかけだ。次第に、野菜の力を世界に届けたいと思うようになり、初めてビジネスに興味をもった。そこで、高校の研究室仲間と日本政策金融公庫が開催した高校生向けビジネスコンテストに参加した。

■大学受験に失敗… やりたいことを模索するなかで見えた起業

ビジネスコンテストで2人目の大きな出会いがあった。子供向けに職業観を養う教育プログラムなどを提案するセルフウイング(東京・新宿)の社長、平井由紀子さんだ。ベトナムでも起業家支援や幼稚園の運営などを手がけている。審査員として松岡さんのプレゼンを聞いた平井さんが「いつかベトナムに来て! 何か一緒にやりましょう」と声をかけてくれたのだ。

平井さんはその後、松岡さんが悩んだときの良き相談相手にもなった。松岡さんは、大学で農業の研究をしたいと考えたが、両親は大学進学には反対。進学するなら学費も生活費も自分で出せと言われたため、選択肢は国立大しかない。

しかし、希望した国立大には合格できなかった。研究活動を通じて知り合った人に相談したところ「うちの会社で執行役員として働かないか? 来年、再受験して合格したら私立でも学費はうちで出すから」と言われた。

破格のオファーに困惑した松岡さんは、平井さんに相談すると、なんと日帰りで東京から京都にやってきた。「その学費に頼ったら、その会社に縛られて本当に自分のやりたいことはできなくなるんじゃない?」

はっとした、と松岡さんは言う。学費の話は断り、高校卒業後は東京へ。ビジネス・ブレークスルー大学という通信制の大学で勉強を始めた。

大学に入学した頃には、すでに起業を思い描き、周囲にも話していた。そして起業したがっている面白い美大生がいると、友人から紹介されたのが、多摩美大の小笠原正観さんだった。

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