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加齢で衰えた体のキレ 脳の感覚チェックで取り戻す

脳のコンディショニング術(1)

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

ジョギング、ゴルフ、テニスなど、スポーツを楽しむビジネスパーソンは多い。しかし、「若い頃よりキレが悪くなった」「いまひとつパフォーマンスが上がらない」「筋トレしても成果が出ない」などの悩みを抱えている人は少なくないだろう。「年だから仕方ない」と諦めがちだが、実はそれ、体の問題ではなく、脳や神経系の問題という説があるのをご存じだろうか。「脳のコンディショニング」の重要性を提唱し、アスリートのパフォーマンスアップに貢献しているトレーナーの江口典秀さんに話を聞いた。

身体機能の衰えは脳の「入力」「処理」のミス!?

趣味でやっている運動でも、思ったようなパフォーマンスができないと、「筋力や持久力、瞬発力などに問題があるのだろうか?」と必死に筋トレをしたり、走り込んだりするもの。それはアスリートも同様で、トレーニングのしすぎで体を壊してしまう人も多いと、プロゴルファーやプロサッカーレフェリー、陸上長距離の実業団選手、スキー選手など、多くのトップアスリートのトレーニングを指導してきた江口さんは指摘する。

「どんなにトレーニングを重ねてもパフォーマンスが上がらない、効果に波がある、左右差が直らないといった選手は多く、これまでのトレーニングには限界があるのではないかと勉強を始めたところ、神経科学に出合いました」(江口さん)

私たちが体を動かす時に、指令を送っているのは脳だ。

「例えば、私たちは普段何気なく歩いていますが、その間も常に、足を着く位置までの距離、段差や壁などの情報を、まず目から得ています。そして、どれくらいの歩幅、スピードで、どのように足を動かせばいいかを脳で処理します。目からの情報を脳に『入力』して『処理』し、神経を介して指令を筋肉に伝え、体を動かします。脳の『入力』『処理』に問題があると、『出力』である運動がうまくいかず、つまずいたりぶつかったりしてしまいます」(江口さん)

従来のトレーニングは「出力」の部分だけを鍛えているようなもの、と江口さん。スポーツのシーンだけでなく、日常生活においても、脳の「入力」「処理」に問題があると、いろいろな不具合が表れるという。例えば、下記の中で思い当たることはないだろうか。

●階段をスタスタ下りられなくなった
●何もないところでつまずくことが増えた
●集中してものが読めない
●肩こりや腰痛がひどい

こういった不具合は、「年だから」「老眼だから」「筋力が衰えたから」で片付けがちだが、実は、脳や神経系の問題で、自分の体を制御できなくなっている可能性もあるという。

「例えば目がきちんと機能してないと、階段や段差を捉えられず、脳の処理が間に合わなくなり、とっさに足が出ない。また、目が字を追うことができないと、文章の内容が頭に入ってこない。こういった問題は、学習障害の原因にも関わっているといわれています」(江口さん)

視覚以外にも、体性感覚[注1]、平衡感覚[注2]などの情報が脳に届き、脳で処理された指令が筋肉に伝わることで、私たちは姿勢を保ったり、歩いたりすることができるという。

「逆にいうと、これらの感覚をつかさどるセンサーや脳が正しく機能していなければ、いくら筋肉が十分にあっても姿勢は悪くなります。姿勢が悪いのを補うために、体の一部に負担がかかり、肩こりや腰痛が出るのです」(江口さん)

もちろん、姿勢が悪いとスポーツ時のフォームも悪くなるため、思うようにパフォーマンスが上がらなかったり、左右差が出たり、故障の原因になったりするそうだ。

さて、あなたの感覚器や脳は正しく機能しているだろうか? 次に示す要領で視覚、体性感覚、平衡感覚をチェックしてみよう。

[注1]体性感覚:皮膚、筋肉、関節などにあるセンサーで体の位置情報を感知する感覚

[注2]平衡感覚:空間における体の位置やバランスなどを感知する感覚

【視覚のチェック1】

(1)片方の手で鼻から20cmほど離れたところに輪を作り、体の前方に伸ばしたもう片方の手の人さし指が輪の真ん中に来るようにする。

(2)左右の目を交互につぶって輪っか越しに人さし指を見て、見え方の違いを見る。

人さし指が輪の真ん中に来る方の目が利き目。外れて見える側の目はあまり使っていない。

【視覚のチェック2】

※誰かに見てもらうか、スマホのカメラで動画を撮って確認するといい。

(1)鼻から20cmほど離れたところに人さし指を立てて、その指の指紋に焦点を当てる。

(2)指をゆっくり顔に近づけたり、離したりして、黒目の寄り方に左右差があるかどうかを見る。

寄らない側は眼球を寄せる筋肉の出力が弱い可能性がある。指を近づけた時に二重に見える場合、両眼視[注3]ができていない可能性がある。

[注3]目は2つだが、物を見た時2つに見えないのは、脳で情報が統合されて1つのものとして認識されるから。この機能があることで物の奥行きを判断することができる。

【体性感覚のチェック】

※誰かに見てもらうか、鏡のある場所でやってみて確認するといい。

(1)鏡などを見ずに、左右のひじが90度になるように腕を上げる。

ひじが90度になっていなかったり、左右差があったりする場合、関節の角度センサーから脳に情報を伝える神経系の入力が鈍っているか、脳の処理能力が低下している可能性がある。

【平衡感覚のチェック1】

※誰かに見てもらうか、スマホのカメラで動画を撮って確認するといい。

(1)足の親指とかかとをつけてまっすぐ立ち、30秒両目を閉じて体の傾きを見る。

体が傾いた場合、傾いた側の足のバランスのセンサー[注4]や背骨を介して脳に伝わる神経系[注5]の入力が鈍っているか、傾いた側とは反対側の脳の処理能力が低下している可能性がある。

[注4]足の裏には刺激を感じ取るセンサーがたくさん存在している。この機能が鈍っていると、体の傾きなどの情報が脳に正しく伝わらないためバランスが取れなくなる。左右の手足は反対側の脳によって支配されているため、例えば右足のセンサーが鈍っていると左脳の処理能力が低下している可能性も考えられる。

[注5]背骨には脳から手足へと情報を伝える運動神経と手足から情報を受け取る感覚神経が通る太いバイパスとなる脊髄神経があり、猫背姿勢など背骨が正しい位置を保てない状態により、足裏や背骨、筋肉などからの感覚情報が正しく脳へ伝えられずバランスにも影響を及ぼす。

【平衡感覚のチェック2】

※誰かに見てもらうか、スマホのカメラで動画を撮って確認するといい。周りに物がないか確認してから始める。高齢者や「平衡感覚のチェック1」でふらつく人は危険なので行わない。

(1)足の親指とかかとをつけてまっすぐ立ち、両目を閉じて、体と太ももの角度が90度になるように片方の脚を上げる(左右10秒ずつ)。

ふらついた場合、ふらつく側の足のバランスのセンサーが鈍っているか、ふらついた側とは反対側の脳の処理能力が低下している。

全ての運動のベースは「脳のコンディショニング」

もし、チェックの結果が悪かったとしても、落ち込むことはないそうだ。「一般の人はもちろん、アスリートでもこれらができない人は少なくありませんし、感覚器や脳のコンディションは整えることができます」(江口さん)

江口さんが提唱しているのは、感覚器からの情報入力と脳の情報処理に着目した「脳のコンディショニング」だ。

江口さんはこのメソッドをオリンピック選手や世界マスターズの選手など、いろいろな競技のアスリートのトレーニングに取り入れて、成果を上げている。全てのスポーツのベーストレーニングとして有効なのだという。また、選手だけでなく、運動能力と判断力が問われるサッカーのレフェリーの間でも定評があるという。JリーグやW杯で活躍する有名レフェリーの西村雄一氏もこのメソッドの開発に関わっているそうだ。

で、具体的にやることだが、「ホントにこれだけ?」と拍子抜けするほど簡単なエクササイズだ。

きついトレーニングなしでスポーツのパフォーマンスが上がったり、若々しく動けるようになったり、仕事のパフォーマンスが上がるとしたら……? やらない手はないだろう。エクササイズの詳細は次回記事「脳活性化で体機能向上 アスリートも励む赤ちゃん返り」で紹介しよう。

(文 村山真由美、写真 鈴木愛子)

江口典秀さん
マークスライフサポート代表取締役、日本オリンピック委員会強化スタッフ。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科修了後、プロスポーツ選手や実業団選手など、多くのトップアスリートのケアおよびトレーニングを指導してきた。これまで夏季・冬季オリンピックにてセーリングやアルペンスキーの日本代表チームのコンディショニングを担当。現在は神経科学を応用した脳のコンディショニング「トータルニューロコンディショニング(TNC)」の普及に尽力している。

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