飛行機での旅行・帰省… 株主優待割引でよりお得に
知って得するお金のギモン
先日、急な用事で北海道・十勝の実家に帰省しました。姉から「明日朝イチ便に乗るように」と指令が出て、航空券を調べたら、前日だと早期割引(早割)チケットがなく、定価のチケットしか残っていない! 行きだけで、夫婦2人分、約8万2000円はお財布に厳しいです。
そこで思いついたのが「株主優待割引」の利用。その結果、1人約1万3000円、夫婦で片道約2万6000円も安く航空券をゲットできました。
「さすが深田さん、航空会社の株主なんですね!」と言われてしまうかもしれませんが、いえいえ、株は持っていないのです。日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)の株主ではなくても、このワザを使えますよ。
「株主優待割引」とは、航空会社の株主優待券を利用した割引のことで、正規運賃の50%引きとなります。実際の株主ではなくても、金券ショップで株主優待券を購入すればいいのです。
つまり「50%割引の航空券代」+「株主優待券の購入金額」が航空券の入手コストです。
ここで「株主優待券っていくらで買える?」という疑問を持つはず。優待券は「相場もの」で、時期によって価格は変動します。旅行のハイシーズンは需要が増え価格は高めになり、有効期限が残り少なくなってくると価格は下がる傾向にあります。
北海道に実家があり、お正月の帰省時は早割チケットがなかったり、あってもすぐに売り切れていたりすることも。少しでも安くするため、以前からこの方法は活用していました。
いつもは金券ショップをいくつか見て、一番安い株主優待券を買っていたのですが、先日の急な帰省では外出する暇もない。そこで利用したのが、大手金券ショップの航空券予約サイト。株主優待券の価格込みで、株主優待割引の航空チケットが予約できる! これは便利です。
予約便を変更できるメリットは見逃せない
株主優待割引航空券が一番安くなるのは早割チケットが売り切れのときですが、今回は株主優待割引で、思いがけず安さ以外のメリットも享受しました。
急な帰省の復路は3日後を予定しており、東京をたつ前は早割チケットがまだ残っていました。株主優待割引よりも安い早割のチケットを予約しかけたのですが、「もしかするともう1日いたほうがいい事態になるかも…」と思い、少し割高でも、搭乗便の変更が可能な株主優待割引のチケットに決めました。早割だと、購入後の変更はできないですからね。
これが大正解! 当初の夕方の便では雑務がこなせず、最終便に変更して帰京しました。予約を変更できるチケットは、価格以上に価値が高いと、改めて実感しました。
旅行好きなので、ほかにも「お得ネタ」を持っています(笑)。よく利用するのは、JALやANAの「航空券+ホテル」のパッケージプラン。季節にもよりますが、別々に予約するより安くなることが多いのです。
パッケージプランは、出発21日前までキャンセル料がかからないのがメリット。数カ月先の旅行だと、時間や日程の変更を迫られることもありますが、21日前までならいったん取り消しして再度新規で予約すれば、キャンセル料は発生しないのです。「早割航空券(変更不可)+ホテル予約」よりも使い勝手がいいですね。ああ、夏休みの旅行計画早く立てないと!
今月の回答者
ファイナンシャルプランナー。株式会社生活設計塾クルー取締役。外資系電機メーカー勤務を経て、1996年にFPに転身。現在は、特定の金融商品を販売しない独立系FP会社生活設計塾クルーのメンバーとしてコンサルティング業務を行うほか、雑誌等の原稿執筆、講演などを手がける。近著は「サラリーマンのための『手取り』が増えるワザ65」(ダイヤモンド社)。
[日経ウーマン 2019年7月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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