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通路に設置した平台に展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

通路に設置した平台に展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店だ。ここでは相変わらず専門書や実務書も含めて金融関係の本がビジネス書の売れ行きを引っ張る。金融関連書に交じって上位に食い込んできたのは、海外のビジネスエリートが読み継いできた経営書50冊の読みどころを解説した本だった。

日本のビジネスパーソンは勉強不足

その本は永井孝尚『世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた』(KADOKAWA)。書名通りの中身で、目次には50冊の書名が整然と並んでいる。著者の永井氏はマーケティング理論を物語仕立てで巧みに解説した『100円のコーラを1000円で売る方法』というベストセラーの著者で、新規事業開発支援ビジネスを手がける一方、講演や研修を通じてマーケティングや経営理論のおもしろさを伝え続けている伝道師だ。この本も、そんな著者の思いがつまった一冊だ。

冒頭で著者は言う。「多くの日本のビジネスパーソンは、圧倒的に勉強不足である」。何の勉強かというと、経営理論の勉強であり、海外のビジネスパーソンとは経営理論のセオリーに沿って議論できるのに、日本ではこれが通じないと嘆く。そこで勉強不足解消の一助になればとまとめたのが本書だ。

全体は(1)「戦略」(2)「顧客」と「イノベーション」(3)「起業」と「新規事業」(4)「マーケティング」(5)「リーダーシップ」と「組織」(6)「人」の6章に分かれ、ポーター『競争戦略論I』、クリステンセン『イノベーションのジレンマ』など、著名な経営書が1冊4~8ページで次々と紹介されていく。

仕事で役立つかに力点

ポイントは「仕事でどう役立つか」を重視してまとめたという点にある。加えて「わかりやすさ」と「面白さ」を心がけたというのが伝道師たる著者ならではの姿勢だ。ポーターの『新訂 競争の戦略』なら、まず副題で「競争相手はライバルだけではない」と位置づけ、「激しい競争を賢く回避し、勝つための本である」とまとめてみせる。

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