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新卒採用に「2021年問題」 若手人材難、本番これから

2019/6/11

一方、学生も油断は禁物です。22歳人口の急減は新卒採用制度の見直しを促すと遠藤氏はみています。「期待レベルに達していない学生を企業は無理に採用しません。代わってキャリア採用が広がるはず。ライバルは社会人。学生のうちから働く力を身に付けないと就職戦線に勝てません」

■遠藤裕基・浜銀総合研究所主任研究員 「人材枯渇時代、企業の対策は3つ」

若年人口が急速に減っていく「新卒採用の2021年問題」。企業や学生はどう対応すればよいのでしょうか。問題提起した浜銀総合研究所の遠藤裕基・主任研究員に聞きました。

――足元の人手不足も深刻です。新卒採用において、これがもっと厳しくなっていくのですか?

遠藤裕基・浜銀総合研究所主任研究員

「22歳人口は2000年代を通じて減少傾向で推移した後、10年代はほぼ横ばいでした。それが20年代になると再び減少トレンドになります。22年以降は毎年数万人ずつ減っていきます。ここ数年、新卒採用は売り手市場が続き、企業は計画通りに学生を採用するのに苦慮してきましたが、さらにきつくなるでしょう。ここまでを人材不足時代だとしたら、人材枯渇時代の始まりです」

――企業が取りうる対策は?

「私は3つあると思います。1つはワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の徹底です。大学生・大学院生が内定を辞退した理由をみると、業種や給与、職種が希望と違うという理由のほか、勤務時間・休暇が挙がっています。ワーク・ライフ・バランスを重視するのは最近の学生・若者の傾向です。仕事をないがしろにしようという意識ではありません。無駄な残業はせず、休むときはしっかり休む一方で高い生産性で働こうと思っています。若者の価値観の変化に合わせて就労環境を整えないと就職先に選んでくれません」

「2つ目は従来とは異なる新卒採用手法の模索です。できるだけ間口を広く構えないと、応募者数を十分に確保できません。例えば通年採用もその1つです。長年経団連が主導し、大学・大学院卒の就職活動スケジュールは横並びでした。いつ会社説明会を開始し、面接選考はいつから解禁か。経団連は毎年一律の目安を示してきましたが、今年を最後にこうした就活ルールをやめます。混乱を避けるために国は来年度以降も現状スタイルを踏襲すると明らかにしていますが、変化は止められません。そもそも現行の就活スケジュールは卒業シーズンが日本と異なる海外大学出身者を採用しにくくしています」

「今後は日本だけにとどまらず、世界的な人材確保競争も高まっていくでしょう。優秀な海外人材を採るためには、毎年4月に一斉に入社する新卒一括採用や、同期入社は横並びという初任給制度が障害になります。新入社員であっても特定の職種については高額な給料を出すことも考えなくてはいけません。今までと同様の採用手法にこだわっていると、有能な人材の確保に後れをとる危険性があります」

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