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新卒採用に「2021年問題」 若手人材難、本番これから

2019/6/11

「3つ目は中途採用の積極利用です。人材枯渇時代になっても、企業は計画通りの新卒採用を確保するために採用水準を落とすことはないでしょう。新卒採用で人員補充が難しければ中途採用を進めるしかありません。実際、総務省の『労働力調査』でみると、転職者はここ数年増加傾向にあります。転職に伴い賃金が増えている人が増えているのも最近の傾向です。日本企業では長く務めるほど賃金が右肩上がりで増えていく終身雇用は働く側にも利点がありました。でも最近は社歴を重ねても思うように給与は増えません。新卒で就職した企業で勤め上げる理由が薄れています。チャンスがあれば転職するのも自然な選択。企業も新卒一括採用にこだわらず、中途採用に目を向けるべきです」

――同世代が減り、競争相手が少なくなる学生は「2021年問題」を喜んでいいのでしょうか?

「楽観してはいけません。新卒一括採用や終身雇用といった日本的雇用慣行自体を企業は見直そうとしています。若者人口の減少で人材枯渇時代に入ったら、雇用慣行の見直しが加速するでしょう。先ほど企業はワーク・ライフ・バランス対策を拡充すべきだといいましたが、それは優秀な学生を採用するための手段。一定水準に及ばない学生まで企業は採用しません。いわば学生の中でも二極化が進むでしょう」

「優秀な学生はワーク・ライフ・バランスが整った働きやすく働きがいもある会社に入社できる一方、企業からみて魅力のない学生は就職が難しくなるでしょう。欧米のように日本も若年失業率が高くなるかもしれません。待遇が低かったり昇給も見込めなかったりする定型業務に就ける可能性はあります。ただ、こうした仕事はいずれ人工知能(AI)、ロボットなどに取って代わられます。生涯安泰ではありません」

「日本的雇用慣行が薄れてくると、給与体系は欧米型の職務給に近づくと思います。今のような年齢に応じて給与が増える年功序列型ではなく、実際どんな業務を担当しているのか、その職務内容に応じて給与が決まる仕組みです。新卒採用であっても、どんな能力を持ち、何ができるのかを企業は学生に求めます。学生のうちに長期インターンシップなどを経験し、仕事能力を身に付けなくてはいけない時代がくると思います」

(編集委員 石塚由紀夫)

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