AI技術者の異能伸ばした磐城高 プリファード岡野原氏岡野原大輔・プリファードネットワークス副社長(上)

岡野原大輔・プリファードネットワークス副社長
岡野原大輔・プリファードネットワークス副社長

日本を代表するスタートアップ、プリファードネットワークス(PFN、東京・千代田)。トヨタ自動車と対等の立場で提携し、自動運転車の共同開発を進めるなど、人工知能(AI)開発では世界の最前線と渡り合う。強みは異なる分野の専門家の集団であること。その技術力の中核を担う創業メンバーで副社長の岡野原大輔氏(37)は、進学校でありながら運動部や吹奏楽で活躍する生徒も多い福島県立磐城高校(いわき市)に通った。個性を尊重する母校で触れた多様性は、「外からの視点」で業界の常識を破る技術を開発するPFNの原点となっているようだ。

(下)信頼の力得た磐城高ラグビー部 プリファード岡野原氏 >>

生まれ育ったのは、福島県いわき市の郊外だった。

市内の山の方に住んでいたので、けっこう自然が豊かなところでした。小学生のころは自転車で山や川へ出かけたり、家でゲームをしたり。今の仕事にちょっとつながることといえば、親が持っていたコンピューターで遊んでいました。

最初に夢中になったのは表計算ソフトを使った遊びです。惑星の軌道を計算し、衛星を地球から飛ばしてそれぞれの星を回ってどうやって帰ってこられるかをシミュレーションしました。小学校低学年ぐらいのときですね。高学年のころには父が「やってみよう」と言って、パソコン通信を始めました。その後は父が使う予定だった機器を完全に占拠して、ずっと使っていました。

小学校5年生だったと思いますが、本格的にパソコンが好きそうだということで、両親が誕生日にパソコンと、当時かなり高価だったプログラミング言語のソフトを買ってくれたんです。それを使ってデータ圧縮の新しいアルゴリズムを考えるのにはまってしまって。パソコン通信で知り合った、お互い身元不詳の人たちで競い合って開発しました。自然の法則もそうですが、一見何も規則性がないように見えるところに実は規則性があって、しかもそれを人間が全部教えるのではなく、データだけから規則性を学習する。こんなところが面白いと思いました。

中学でもパソコン通信は続けましたが、学校では陸上部に入って短距離をやりました。卒業後の進路として一時は高専も考えたのですが、部活動も楽しかったので、結局、進学校で部活も盛んな県立磐城高校を選び、ラグビー部に入りました。

教師も生徒も様々だが、仲間意識が強かった。

1年目からいい先生にあたって、1年の担任は益子章先生という、確か東北大の化学の修士を出てすぐの方でした。当時、磐城高校は男子校だったので、ご想像通り授業中もみんなワーワー騒いでいてひどいことになっていたのですが、先生も同じようなノリで接してくれて。僕らはひたすら人を笑わせるのが担当みたいなポジションだったので、よくいろんな先生の物まねなんかをしていましたね。進学校なので真面目に授業を聞いている生徒もいますが、話が脱線する先生なんかも多くて面白かったです。

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