女性管理職の比率4倍に 活躍の道、トップが力ずくでカルビー元会長 松本晃氏

余計な会議はしないとか、部下に権限委譲するとか、短い時間で成果をあげる工夫をしたのでしょう。実際にやってみたら、結局、本人にも会社にも何の問題も起きなかったんです。なんだそうなのかと。それでみんなまねし始めたわけです。

だいたい、オフィスには何しに来るんですかね。来て何かいいことありますか。何もないですよ。僕も、J&Jのときには、オフィスには月2回ぐらいしか行かなかった。今は会社に行かなくたってコミュニケーションはいつでもとれます。必要なら電話するし、メールだってすぐ飛んでくる。恋人でもあるまいし、毎日会う必要なんてないんですよ。

女性活躍、ロールモデル増え軌道に

女性活躍への取り組みを伝えるカルビーのホームページ

僕がカルビーにいたとき、執行役員北海道事業本部長になった女性もいます。彼女は、もともと創業者の三男で長く社長を務めた松尾雅彦氏の秘書をしていましたが、非常に優秀でした。だから10年に本社を東京駅近くの新しいオフィスビルに移すとき、レイアウトに関するプロジェクトのリーダーを任せたんです。僕は基本的な考えを伝えただけで、あとは業者との打ち合わせから何から彼女に一任しました。

僕が言ったのは「オフィスは作業場じゃない。倉庫でもない。オフィスというのは考える場所。人間は環境の動物だから環境をよくしないと動かない。考えることができる環境をつくってくれ。ゴミ箱にするなよ」ということでした。その結果、フリーアドレスなど先進的な機能を備えた今のオフィスができたんです。

彼女にはダイバーシティーを推進する委員会の委員長もやってもらいました。その後、いろいろな部署を経て、執行役員北海道事業本部長になったわけです。彼女たちはカルビーで働く女性たちの絶好のロールモデルになりました。そういうケースは、ただ待っていても出てきません。トップが意識して、半ば力ずくでつくらないとダメなんです。

政府は14年、企業などで「20年までに指導的立場に就く女性比率を30%に」するという、「2030(ニイマルサンマル)」の目標を打ち出しました。僕は「何が何でも2030一番乗りを果たせ」と社内に発破をかけました。途中で何か問題が起きたら、そこでいったん立ち止まって考えればいい。何かやれば、問題の一つや二つは必ず起きるに決まっている。とにかく、ガタガタ言わずにやれと。