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女性の登用を進めた松本晃氏には「ミスター・ダイバーシティー」の異名も

女性の登用を進めた松本晃氏には「ミスター・ダイバーシティー」の異名も

プロ経営者の松本晃氏には、「ミスター・ダイバーシティー(多様性)」という異名があります。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)日本法人の社長として、またカルビーのトップとして女性の登用を積極的に進めました。特にカルビーでは、8年間で女性管理職の比率を4倍に引き上げたそうです。女性活躍の必要性が叫ばれるなか、主要国では男女平等から最も遠いとされる日本の職場。松本氏には、どんな処方箋があるのでしょうか。

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多様性と働き方改革、どちらが欠けても失敗

僕はカルビーで、働き方改革とダイバーシティーを同時に進めました。一緒にやらないと両方とも失敗するんです。働き方改革に手を付けないまま「女性活用をやります」と言っても到底実現できません。そんな女性活用宣言は、まさに舌先三寸です。

さまざまな機会にお話ししてきたんですが、カルビー時代のいい例があります。2013年に、中日本事業本部のマーケティング担当部長だった女性が、執行役員中日本事業本部長に昇進しました。僕が彼女を引き上げたわけではありませんが、しめたと思いました。

彼女には小学生の子どもが2人いました。そこで彼女に「毎日夕方4時に帰れ。どこにいても4時になったら帰れ。これは命令だ。聞かなかったらクビだ」と言ったんです。現実にはクビになんかできませんが、トップがそこまで言えば従わざるを得ませんよね。本人も、腑(ふ)に落ちない顔をしていましたが、命令だというので渋々やってみた。

中日本事業本部は国内に4つある事業本部の一つで、ポテトチップスなどをつくる工場を3つ抱えています。従業員は850人、売上高は500億円ほどもあって、そのへんの会社よりよほど大きい。事業本部長はそのトップで、社長みたいなものです。その人が毎日、夕方4時に帰る。

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