オール私立は2300万円 大学卒業まで教育費どう確保

日経トレンディ

2019/6/12

積み立てはなるべく早く。余力があるときにペースを上げるのが良策

積み立ては、なるべく早いうちに始めるのが大事。例えば300万円をためようとすると、積立期間が15年あれば毎月の積立額は1万7000円でOKだが、残り期間が6年となると月4万2000円が必要になる。積み立てに回すお金が足りなそうなら、収入を増やす(妻が専業主婦をやめて働くなど)か、支出を減らす(家計の改善、住宅ローンの見直しなど)かして余力を増やす努力が欠かせない。

■1年時の負担が大きい私立。公立は中学校で費用増加

下図は小学校~高校の学年別の平均的な教育費。私立は小1・中1・高1で納付金(主に入学金)がかさみ、特に負担が大きくなる。小学校は尻上がりに費用が増える傾向があるので、低・中学年のうちが「ため時」だ。都市部では中高一貫校が最近人気だが、高いコストを払い続けることになる(お金が苦しいからといって転校はしにくい)ので、6年間を見通した資金繰りが必要だろう。公立でも中学校は費用が増加する。高3では、大学の受験料や入試を受けるための交通費・宿泊費で数十万円の出費も想定しておきたい。

その際、「自分たちの老後資金も確保しておくことを忘れないように」とFPの竹下さくら氏。どこまで余力を高める必要があるかは、教育資金と老後への備えとを併せて考えたい。

また、子供が中学生や高校生になると日々必要なフローの教育費が増え、将来のストックにお金を十分に回せない可能性も出てくる。それを見越して、余力があるときには積み立てペースを上げるのが良策だ。塾や習い事の機会が増え始める前の小4までが、まずは「ため時」になる。高校から私立に行く想定なら、中2までの期間になるべくストックを増やしておくといい(中3では受験塾などの費用が膨らむ)。

こうした「ため時」を逃さないためには、やはり早いうちから教育資金づくりの計画を立てるに限る。

それでも資金が足りない(ためる時間が足りない)という場合は、子供の祖父母(親の両親)から一時的にでも援助を受けられないか、あるいは奨学金を利用できないかを検討する。

最近では、返済の必要がない給付型奨学金を大学や企業系財団などから受け取れたり、国・自治体から受験や留学を支援するお金がもらえたりするチャンスも増えている。大事な子供の将来のため、使えるものは使わないと損だ。

■家計の改善で資金余力を高める。情報収集も親の大事な役目

FPの竹下さくら氏が提案する、教育費の用意の仕方をまとめたのが下の図。必要な時期までに時間があるなら、できることもいろいろとある。資金が足りなそうなら、収入を増やしたり支出を減らしたりして、教育費に回せる余力を高めたい。時間があまりない場合でも、条件が有利な奨学金や授業料免除制度の情報を集めるなど、親ができることはある。

「教育費で困る、困らないの差は、情報を正しく得ているかどうかの差」と菅原氏。実際にいくらかかるのか、だからどうすればいいのかを知り、行動に移すこと。「奨学金や教育ローンを借りれば何とかなる」と漫然と考えていては、親も子も立ちゆかなくなる。

(文 小谷真幸)

[日経トレンディ 2019年5月号の記事を再構成]