既存のプランも一部継続、複雑だが最適な選択肢を
auの新料金プランで注目されるもう一つのポイントは、従来の料金プランの一部が残るということ。通信量が20GBの「auフラットプラン20」(2年契約適用時で音声通話が従量制の「シンプル」の場合、月額6000円)と、通信量が25GBで、なおかつ「Netflix」などの映像サービスが利用できる「auフラットプラン25 Netflixパック」(2年契約適用時で「シンプル」の場合、月額7150円)は引き続き契約が可能だ。
一方で、「auピタットプラン」や、データ通信量が30GBの「auフラットプラン30」(2年契約適用時で「シンプル」の場合、月額8000円)は6月30日をもって新規受け付け停止となるが、新料金プランへの移行はあくまで任意であり、従来プランの契約を維持することは可能だ。

そこでauユーザーが、従来の料金プランから、新料金プランに乗り換えるべきかどうかを考えてみよう。
まずはauピタットプランを利用している人についてだが、「7GB以上データ通信をしたことがない人」と「auユーザーの家族と同居している人」は、新auピタットプランへ移行した方がお得になる。新auピタットプランは1GBから7GBまで利用した場合の料金がauピタットプランよりお得に設定されているのに加え、1GB未満の場合は同じ料金であるものの、家族割プラスの適用で最大1000円の値引きが受けられるからだ。
逆に「普段は2~3GBくらいだが、時々10GBくらい使うことがある人」というように、月によってデータ通信量が大きく異なる人は、最大20GBまでの利用が可能なauピタットプランを維持した方がいいかもしれない。また「毎月必ずデータ通信量が5GBを超える人」は、auフラットプラン7プラスに移行した方が、家族割プラスを適用しなくても料金が安く済むだろう。

では、auフラットプラン20やauフラットプラン30、auフラットプラン25 Netflixパックなどを利用している人の場合はどうか。まず毎月の通信量が7GB程度、あるいはそれを下回っているというのであれば、auフラットプラン7プラスに乗り換えるべきだ。
一方で、auデータMAXプランに乗り換えるべきかどうかは、毎月常に通信容量がオーバーしているかどうか、そして家族割プラスがどこまで受けられるかが判断基準となる。auデータMAXプランの料金は、家族割プラスを最大限適用すればauフラットプラン30に並ぶ程度にまで下がるが、そうでなければ他の料金プランと比べ、約1000~3000円高い料金設定となっているからだ。確かにデータ通信し放題は魅力だが、そこまで料金をかけてまで必要なのかどうか、冷静に考える必要があるだろう。
選択肢が2つしかないNTTドコモの料金プランと比べると、3つのプランが用意され、さらに2つのプランが維持されたauの料金プランは複雑に見える。だがその分選択肢の幅が広く、うまく選べばお得に利用できるというのも確か。特にauフラットプラン7プラスは、他の大手2社には存在しない、「毎月そこそこデータ通信を利用する」人向けの数少ない選択肢でもあることから、意外と目玉になるかもしれない。
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。