思い出の写真を百年保存 光ディスクへの正しい記録法

日経PC21

色素系は紫外線に弱い、格安品は絶対に避ける

書き換え可能なDVD-RWや同+RW、各種BDは記録層に相変化材料という合金を使用しており、弱いレーザーを当てることでデータを消去する。これらも色素を使うディスクより劣化しにくい。

いずれのディスクを使うにしても、ノーブランドの格安製品は避けるのが無難だ。格安品などでは、ずさんな製造工程のために気泡が入って変色していることもある。

格安ディスクは盤面が反っていたり、貼り合わせが不十分で気泡が入っていたりする危険がある。ディスクの重心が変わり、読み書きに影響を及ぼす。写真はたった1週間で劣化変色した格安のディスク
DVD-Rに10日間連続で紫外線を当て続け、「Opti Drive Control」というソフトを使って劣化(エラー)の度合いを調べた。上は国内大手メーカー製の製品で、下は100円ショップの格安製品。前者はほとんどエラーが増えないのに、後者はエラーが激増した

実際に編集部で経年劣化をテストしてみた結果が図だ。ブラックライトで強烈な紫外線を10日間当てて読み出しエラーを計測したところ、国内大手メーカー製がほとんど無劣化だったのに対し、格安ディスクはエラーが多発した。

光ディスクは光(紫外線)や熱、湿気に弱い。直射日光が当たる場所や高温多湿の場所に長期間置くと記録層が変化してしまい、データが読めなくなる危険がある。特に注意したいのは真夏の窓際や車の中。光ディスクのポリカーボネートは熱で変形しやすく、変形すると読み出せなくなる。このほか、たばこの煙や丸裸での保管も避けたい。

光や熱、湿気のほかにほこりや汚れの付着、傷による損傷も厳禁だ。何も気を配らない保管方法では、ディスクを確実に劣化させてしまう

温度20度、湿度50%前後で日が当たらない場所で保管

旧日本記録メディア工業会(現在は日本文書情報マネジメント協会が資料を継承)の資料「光ディスクの取扱い上の注意」によると、保管に適しているのは温度15~25度、湿度40~60%で直射日光が当たらない場所。空調がある部屋の日に当たらない場所なら問題はないだろう。

ディスクは1枚ずつケースに入れて縦置きにするか、スピンドルケースに入れて保管する。ケースを横置きにして積み重ねると、重みでケースやディスクが変形する危険性がある

ディスクを保管するときは、必ずケースに入れるように心がけよう。また、ケースを横置きにして積み重ねるのもよくない。自重でケースやディスクに無理な力がかかって変形する恐れがあるためだ。なお、積み重ねて保管するスピンドルケースは、ディスク内周部に突起があってディスク同士が接触しないので問題はない。

ケースからディスクを取り出すときも細心の注意を払おう。曲げないように取り出し、持つときは中央の穴と縁をつまむようにして記録面に触らないように心がける。

2つの書き込み方法を使い分ける

ウィンドウズのエクスプローラーは、光ディスクの書き込み機能を備えている。BD対応の光学ドライブがあればBDもOKだ。ただし、書き込み方法として「ライブファイルシステム」と「マスター」の2種類があるので、用途に応じて使い分ける必要がある。

DVDやBDへの書き込みはエクスプローラーでできる。書き込み方法として、USBメモリーのようにファイルの追記や削除ができる「ライブファイルシステム」と、データを一気に書き込む「マスター」があり、新規ディスクを挿入したときに選択できる
ウィンドウズでディスクを書き込むときの画面。(1)にディスクのタイトルを入力し、(2)で「ライブファイルシステム」か「マスター」を選ぶ

ライブファイルシステムはファイルの追加(追記)や変更、削除ができる書き込み方式で、USBメモリーと同じような使い勝手が特徴。ただし書き込み速度が遅く、ウィンドウズ以外のOSやパソコン以外の機器では読めないこともある。また、複製も面倒だ。一方のマスターは複数のファイルをまとめて一気に書き込む。こちらは書き込み速度が速くて互換性も高く、複製もしやすい。思い出をまとめて記録するときは、迷わずこちらを選びたい。逆に、高い頻度で追記するつもりならライブファイルシステムが向く。

ライブファイルシステムは書き込みに時間がかかり互換性の問題もあるが、USBメモリーの感覚で読み書きできる。マスターは追記不可だが、データを一気に書き込むので処理時間は短い。思い出写真などではマスターがお薦め。互換性にも優れ、複製もしやすい

(ライター 田代祥吾)

[日経PC21 2019年7月号掲載記事を再構成]

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