米中貿易戦争でも日本のお家芸で生き残れ(苦瓜達郎)三井住友DSアセットマネジメントシニア・ファンドマネージャー

写真はイメージ=PIXTA
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「『特定顧客』向けの需要動向は日ごろ取材していても把握が難しい」

トランプ米大統領が引き金を引いた関税引き上げ合戦が米中貿易問題からメキシコの移民問題にまで飛び火し、世界の株式市場は不確実性に身構える展開になっています。こういう時にこそ目先の上げ下げから離れ、業種・業態の大きな流れに目をこらしたいものです。

例えば日本の電機業界の世界的地位は過去二十数年間で大きく後退しました。パソコンやスマートフォン(スマホ)など個人用の電子機器や中核的な部品である半導体などの分野で、世界のトップクラスから外れて海外企業の後じんを拝しています。しかし、さらに川上の電子材料まで見渡すと様相は異なります。依然として多くの分野で日本企業がトップの座を守っているのです。今回は、この「お家芸」ともいえる業界における日本企業の強みについてお話ししたいと思います。

「川上」には依然強み

電子材料業界は、東証の業種分類で見ると、化学を中心にガラス・土石製品、非鉄金属、繊維製品など、多くの業種にまたがる業界です。一つ一つの分野は必ずしも大きなものではありませんが、それぞれで世界のトップクラスを占めることができれば、2桁の高い利益率を確保することが可能です。

川下の半導体や最終製品に比べると、技術革新の速度は必ずしも速くありません。しかし、品質の向上や顧客ニーズへの対応のため、継続的な研究開発が求められます。

逆に顧客ニーズを先取りしてしまった場合には、市場の方が自社の技術に追いつくのを待ち続ける展開もあり得ます。その場合には、固定的な雇用慣行に支えられた日本企業の粘り強さが強みを発揮する領域――そんな見方もできるでしょう。

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