積み立て投資、長期継続が果実生む 平成相場で検証QUICK資産運用研究所 高瀬浩

さらに見逃せない点がある。日経平均は組み入れ銘柄の配当金を含まずに株価をもとに計算する指数だが、個人投資家が購入する日経平均連動型のインデックス投信では組み入れ銘柄の配当金が基準価格に上乗せになる。運用コスト控除後の配当金が積み上がるうえ長期複利運用の効果も加わるため、実際に長期で積み立てをすれば今回の試算以上のリターンも想定できそうだ。

平成時代の積み立て投資は堅調

実際の投信ではどうだったのか。平成に入ってから設定された投信を設定月末以降、平成が終わるまで一定額買い続けたと仮定した場合の積み立て投資リターンをランキングにしたのが下の一覧表だ。投信を価格変動リスクが低い順に1~6まで分類し、リスク区分ごとにリターン上位3本をピックアップした。

この一覧表をみると、平成の積み立て投資は堅調だったことがわかる。しかもリスクが高いファンドほど積み立て投資のリターンが大きい傾向がうかがえる。高リスクファンドは基準価格が急落する可能性がある一方で、いずれ反発して平均購入単価を大きく上回る例も少なくないからだ。

典型的なケースは野村アセットマネジメントが1995年に設定した「タイ投資ファンド」だ。基準価格は2001年ごろにかけ急落し、現在も設定当初の水準をやや上回るだけだが、平均購入単価が低いままなので積み立てリターンは約180%(2.8倍)だ。

もちろん積み立て投資は必ず報われるとは限らず、高リスク投信の積み立て投資が裏目に出るリスクはつきまとう。長期間にわたり元本割れし続けたり、最近のトルコリラ建て債券ファンドのように大きく元本割れしたりする例がある。また投信の設定後に基準価格があまり下がらず、上昇する局面が多い場合は、一括で投資するケースに比べリターンが下回ることが少なくない。

ただし積み立て投資は高値づかみするリスクが減るので一括投資に比べて元本割れの際の下落率が小さいことが多く、「いつ投資したか」という投資時期に損益が左右されにくい強みもある。表の集計対象ファンド約3300本では92%が設定来の積み立てリターンはプラスだった(一括投資は89%がプラス)。投信の運用成績やリスク水準、値動きの推移などによって積み立て投資の成果は変わるが、長く継続するとプラスになりやすい傾向を示している。

こうした特徴を押さえたうえで、人生100年時代に備えて積み立て投資を無理のない範囲で始め、長期に続けてはどうだろうか。積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)や個人型確定拠出年金(イデコ)などの税制優遇制度を活用するのも一案になりそうだ。

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