
〇「カステル・サント・アントーニ ジャズ・ナトゥーレ レセルバ」 2600円
ピアノの鍵盤をかたどったラベルが、思わず手に取りたくなる一本。熟成期間の長い高級カバの生産に特化したカステル・サント・アントーニが地元バルセロナ出身の世界的ジャズバンドとのコラボレーションで2017年から生産を始めた。「ゴールデンデリシャスや洋梨、白桃などの華やかな香りと、ミネラルや白胡椒(こしょう)、コリアンダーなどスパイス調の香りが特徴で、口の中で心地良いほろ苦さとリンゴの蜜のようなフレーバーが広がる」(櫻井さん)。

〇「ロジャーグラート カバ コーラル ロゼ ブリュット」 2100円
ピンク珊瑚(コーラル)をイメージさせる淡いサーモンピンクの外観で、「フレッシュなラズベリーやあんずの香りに加え、ハーブやミネラル、イーストなどの香りがほんのりと漂う」(櫻井さん)。淡い色調のスッキリとした味わいのロゼ・カバは世界的に人気が高まっている。「生ハムやマグロのカルパッチョ、ラタトゥイユなど、軽やかな前菜と合わせたい」(同)。

〇「ベソ・レセルヴァ・ブリュット・ナチュレ」 1450円
カバはカタルーニャ州が全生産量の95%を占めるが、これは珍しいバレンシア州のカバ。「バレンシア産らしい青リンゴや白桃、ハーブなどの軽やかな香りに加え、15カ月以上の瓶内熟成からくる複雑な香りも感じる」(櫻井さん)。バレンシアは欧州有数のコメの産地のため、「肉や魚介のパエリアなどお米料理との相性が抜群」(同)という。

〇「セグラヴューダス ブルート オーガニック」 2000円
「さわやかなかんきつ系の香りが第一印象。その後から、青リンゴや、フェンネルなどのハーブ、蜜、スパイスの香りが追いかけてくる。味わいはクリーミーだがドライ。シャープな酸が心地よい」(櫻井さん)。「ハーブを効かせたシンプルな魚介のマリネやワイン蒸しなどと合わせるのがお薦め」(同)だ。
(ライター 猪瀬聖)