インターンで増えるグループワーク 注意すべき点は?
2021年卒業予定者(現3年生)の就活の動きが早まっています。すでにインターンシップのエントリー予約を済ませ、参加のための選考に向けた準備を進めている人もいるでしょう。ここではインターンシップ参加に向けた準備の中でも、最近特に重要性が増しているグループワーク対策について説明します。
最も多いプログラムはグループワーク
読者の皆さんの中で「なぜグループワークなの?」と思った人もいるかも知れません。実は、最近のインターンシッププログラムは「グループワーク」が最も多いのです。大学主導で単位認定されるインターンシップであれば本来の意味である「就業体験」なのですが、大学とは関係なく就活サイトで自由に応募できるインターンシップはグループワークが主流になっています。
キャリタス就活を運営するディスコの調査では、インターンシッププログラムの78%がグループワークでした。4社参加すれば3社でグループワークを体験するという計算です。また、最近ではそのグループワークでの評価によって、企業から何らかのアプローチがあったり、その後の本選考での優遇措置につながったりすることがあります。つまり、インターンシップでグループワークの評価が良ければ本選考を有利に進められ、評価が悪ければインターンシップに参加していない学生と同じルートでの選考となってしまうのです。
具体的にどんなアプローチや優遇があるのかというと下のグラフのようになります。
グラフにあるように「特になかった」は29%なので、7割は参加後に何らかのアクションがあったと回答しています。「エントリーの案内」は選考に有利になるわけではありませんが、それ以外の「限定セミナーの案内」「早期選考の案内」「筆記試験や選考(回数)の減免」などは本選考での優遇策です。選考を受ける目的で参加しているのなら、インターンシップはより重要になります。
具体的なメリットとして、先輩たちからは次のような声がありました。
「人事に顔を覚えてもらえ、面接の際にもインターンシップ等に参加し意欲的であるという評価をもらえた」(機械メーカー)
「本選考にあまり影響があるとは思っていなかったが、実際に内定者を見るとインターン生はかなりの確率で内々定をもらっていたので参加してよかった」(化学メーカー)
「インターンシップ参加者限定で、外部の講師を招いた就活セミナー(企業研究からエントリーシートや面接まで)を開催してくれた」(製薬メーカー)
グループワークの前にある程度、業界研究を
これでインターンシップに参加し、グループワークで高評価を得ることの重要性を理解していただけたでしょうか。では、どんな準備をすればいいのかを説明します。実施されるグループワークのテーマは業界や企業、仕事に関係することがほとんどです。具体的には、以下のようなテーマがありました。
「一人暮らしの20代半ばの女性に向けての新規保険商品提案」(生命保険)
「IT技術を用いた新しいサービスの提案」(情報システム)
「不動産の運用について」(信託銀行)
「金融、自動車、航空の架空企業に対して新規ビジネスを提案」(情報システム)
「自社の強みとは何か」(生活用品)
このようなグループワークのテーマで活発に意見やアイデアを出すためには、ある程度業界・企業・職種研究はしておいたほうがいいでしょう。特に最近の業界内のトピックス(ヒット商品や業界各社が力を入れている分野、成功例)は把握していた方が発言のチャンスは増えるはずです。
採用担当者は協調性も見ている
企業の採用担当者が見ているのは、知識や発言だけではありません。その会社でチームの一員として働けるかどうかという点も見ています。注意したいのは「評価されたい!」ために自分を良く見せようとしないこと。他の参加者の発言を否定したり、話を途中で遮ったりしなようにしてください。グループワークは仲間と一緒にチームとしてワークを進めなければなりません。自分だけが目立とうとして他人を蹴落とすような行為は避けましょう。
他者への気遣いも重要です。他の人が発言しているときには発言者を見てうなずく、質問するなど話しやすい環境を作ることも大事。腕組みをする、下を向くなどの態度もNGです。また、発言していない人には話を振ってみることも忘れないでください。グループワークは参加者全員が楽しみながら目標に向かって進むことができるかどうかがポイントです。そして、チームにどれだけ貢献できているかが評価のポイントになります。参加が決まったら「思いっきり楽しむぞ!」といった気持ちで臨んでください。
(日経HR 渡辺茂晃)
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