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日本に帰れないかも… 万博誘致の不安打ち消した一品トップの勝負めし 関西経済連合会の松本正義会長

テレビ東京「Newsモーニングサテライト」のシリーズ企画「トップの勝負めし」第8回のゲストは関西経済連合会会長(住友電気工業会長)の松本正義氏(74)だ。

2018年11月、万博開催地発表のためパリへ向かう日の夜、松本氏の姿が「大阪倶楽部」にあった。大正時代に建築され、関西経済人の社交の場として知られる場所だ。松本氏が勝負をかけるときには、ここによく足を向ける。

インタビューを受ける松本氏

住友電工会長として住友グループを引っ張り、万博の誘致にあたって国と大阪府・大阪市、地元経済界の3者による強力な誘致態勢を構築するなど難しい局面で手腕を発揮してきた松本氏が、この日はいつになく不安な気持ちと真剣に向き合っていた。

「誘致が失敗したら日本には帰ってこられないかもしれない」

心を落ち着かせるため、同倶楽部の名物料理「タンシチュー」を注文した。タマネギやセロリなどの野菜と一緒に一度焼いた牛タンをデミグラスソースで4時間かけてじっくりと煮込んでいるので、ほろほろと口の中で溶けるように柔らかく、少しスパイシーなのが特徴だ。昔から変わらない味を口にしながら、気合を入れ直した。

松本氏が身を切る思いで、万博の誘致に取り組んだのには訳がある。昨年発表された、国内総生産(GDP)の都道府県版「県内総生産」(2015年度版)で、東京都に次ぐ全国2位を維持してきた大阪府が初めて愛知県に抜かれた。企業の東京への本社移転も加速している。

「かつて日本のGDPの20%を占めていた関西経済が、今は16%まで低下してしまった」。地盤沈下が続く関西経済を厳しく評価する松本氏は、万博の誘致を負けられない戦いと位置づけた。

「過去を見れば新しいものは関西から出ている。しかしそれをオーガナイズ(体系化)するシステムに欠けている」と分析する松本氏は、リニアモーターカーが開業すれば「関西に魅力がなければすべて首都圏・中部圏にもっていかれる」と強い危機感を抱く。

だが、下を向いてはいられない。大阪は、2025年の万博以外でも、20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の開催を6月28日に控え、秋はラグビーのワールドカップ、2021年には生涯スポーツの国際大会「ワールドマスターズゲームズ(WMG)」の開催に加え、カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致などビッグイベントが相次ぐ。

「慌てず、平常心を保ち、怠らず準備をすること」。巌流島で佐々木小次郎と対峙した宮本武蔵の心構えをビジネスの世界に重ねながら、松本氏は自然体で臨むことの大切さを訴える。

相次ぐ巨大プロジェクトを追い風にした新しい関西経済を構築するため、周囲からの期待は高まるばかりだが、決して平常心は忘れない。

タンシチュー (セット1980円 税抜き)
ホタルイカ沖漬け
大阪倶楽部 食堂(会員制)
大阪府大阪市中央区今橋4-4-11
(電話)06-6231-5210
営業時間
(昼)11:00~14:00
(夜)17:00~21:00
日、祝日 定休

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