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男を輝かせるシルバージュエリー、仏クリストフル提案 クリストフルCEOに聞く 今秋めど指輪・ブレスレットなど展開

2019/6/1

「クリストフルは近代的なテイストを持っている人たちのためのブランドだということを打ち出す」と話すナタリー・レミーCEO

1830年に創業した仏クリストフルは、ナポレオン3世の宮廷御用達業者でもあった銀細工ブランドだ。ナイフやフォーク、トレーといったテーブルウエアや、フォトフレームや花器などの生活雑貨を幅広く展開する。今秋、同社はブランドロゴの刷新といったブランドの再構築に乗り出し、初の本格的なメンズジュエリーを投入する。ナタリー・レミー最高経営責任者(CEO)が狙うのは男性客やミレニアル世代だ。新戦略を聞いた。




■ミレニアル世代へSNS使い発信

――2018年3月にCEOに就任されてからどんな数値目標を掲げていますか。

「3年で売上高50%アップを目標にしています。ただ、この数字を達成するためには多くのことを素早く行わなければいけません。新戦略はシンプルなものです。改めて、クリストフルをラグジュアリーブランドとして位置づけること。そして、銀細工の分野でのポジションを力強く打ち出すこと。さらには銀細工の分野で発展させられる分野を広げていくこと。そして、世界で今後まだ成長の可能性が高い場所での展開を強化します。具体的にはフランス、英国、米国、日本、中国です。流通経路も含め、どういった展開の仕方が成長につながるのかを模索しています」

テーブルウエアやジュエリーなど多彩な展開をしてきたクリストフル。今後は男性客を視野にいれる(東京都港区のクリストフル青山本店)

――新規顧客をどう開拓しますか。

「デジタル分野に注目しています。交流サイト(SNS)などを使ってミレニアルズへの対応をすること。もっともっとやるべきです。ラグジュアリーブランド業界ではいま、さまざまなメディアを使ったマーケティングで競合が激化しています。まさに内容で勝負する時代だと感じています」

「クリストフルのミッションは分かち合う楽しみを提供することです。食事のシーンが代表例でしょう。とはいえ、その食事のシーンでもパーティーでは着席よりもビュッフェスタイルへと移行して、フィンガーフードを楽しむようなモダンなスタイルに変わってきています。ですから、クリストフルはそうした近代的なテイストを持っている人たちのためのブランドだということを強く打ち出していきたいです」

■指輪、ブレスレット、ペンダント、カフリンクス展開

――具体的な戦略は。

「4つの柱を重視しています。1つはリブランディングです。11月にも、モダンになった新生クリストフルを伝えるため、ビジュアルを変更し、ブランドロゴを刷新し、ブランドカラーも変えます。字体も表記も変える大胆な変更です。ショッパー(紙袋)もずいぶんとイメージが変わるはずです。イメージカラーはこれまでもグリーンでしたが、よりモダンなグリーンにします。1830年という創業年も入りますね」

「2つめは商品・サービスです。ダイニング、バー、ホームデコレーション、アクセサリー・ジュエリー、子供というカテゴリーで、新たな商品を投入していきます。3つめはコマーシャル改革、4つめがロジスティクスで納期の効率化・短縮化をめざします」

9月に発売するパーティー専用カトラリーセット&トレー「MOOD PARTY」。卵形の容器の中にカトラリーが収納されているMOODの新作だ
「パーティーでも着席からビュッフェスタイルでフィンガーフードを楽しむようなモダンなスタイルに移行しています」とレミーCEO。オブジェのようなモダンなMOODはクリストフルのヒット商品だ

――男性客の開拓を重視しています。

「今秋に初めてメンズジュエリーを展開します。新しいロゴとともに発表できるでしょう。ブラックに仕上げたブラックシルバー、光沢感のあるシャイニングシルバーを使ったもので、指輪、ブレスレット、ペンダント、カフリンクスを展開します。ブランド名は『グラフィック』というものを思案中です。価格は安いもので3万円ほどとなる予定」

「メンズジュエリーは伸びしろが大きく、潜在需要があるとみています。男性客の獲得に向けて外部のクリエーターやデザイナーとのコラボ商品にも取り組み、多彩な商品を展開します」

こちらは女性に向けたアクセサリー。11月からはメンズジュエリーに本格参入する

■2020年に日本で展覧会を計画

――商品の絞り込みはしないのですか。

「カタログに載っている商品だけでも4500アイテムもあるのです。カトラリーに関してはリーダー的存在ですのでお客さまに幅広い選択肢を与えられるように提案しますが、それ以外のものはポテンシャルのある商品にフォーカスし、選択と集中で絞り込んでいきます」

「一方で、現在の店舗は小規模です。世界観を見せられるようなスペースを持つ店をもっと作っていきたいです」

これまで掘り起こしきれなかった男性向け商品を充実する。その1つがワインのボトルホルダーなどのバー関連商品だ

――消費者にどう発信していきますか。

「ビジュアルイメージの刷新や新商品を、キャンペーンを実施して伝えていきます。重視しているのはイベントです。消費者との接点となるイベントをこれまで以上に増やして、クリストフルを体験してもらわないといけないと考えています。レストランと組むこともできますし、家具店とのコラボも考えられます」

「今の消費者はストーリーや背景を重視します。クリストフルには語るべきことはたくさんあります。歴史的な傑作もふくまれる6万5000点のアーカイブもあります。2020年にはこうしたアーカイブを紹介しながら、クリストフルの神髄を発見できる展覧会を日本で開きたいと考えています」

(Men's Fashion編集長 松本和佳)

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