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サメの赤ちゃん「陸の小鳥」を常食 なぜどうやって?

日経ナショナル ジオグラフィック社

2019/6/8

ナショナルジオグラフィック日本版

バハマ沖を泳ぐイタチザメ。イタチザメは死骸を探す名人で、特に視覚と嗅覚が優れている(PHOTOGRAPH BY BRIAN J. SKERRY, NAT GEO IMAGE COLLECTION)

イタチザメは熱帯の海を代表する捕食者だ。体長4.5メートルを超えるどう猛なサメで、ウミガメからゴムのタイヤまで、何でもむさぼり食う旺盛な食欲の持ち主でもある。最新の研究によれば、そのイタチザメの子どもは、さらに奇妙なものを食べていることがわかった。裏庭でよく見かける鳥たちだ。

研究リーダーのマルクス・ドライモン氏がこの事実を発見したのは2010年。メキシコ湾の調査プロジェクトで小さなイタチザメを捕まえたときのことだ。

米ミシシッピ州立大学で海洋漁業の研究を行うドライモン氏は「体の大きさと重さを測定するため、イタチザメをボートに引き上げたところ、大きな羽毛の塊を吐き出しました」と振り返る。「もちろん、すべてかき集め、分析のため研究所に持ち帰りました」

分析の結果、それは陸にすむ鳥チャイロツグミモドキの羽毛だった。イタチザメが食べることで知られるカモメやペリカンといった海鳥ではなかったのだ。

草の上に止まって鳴くハシナガヌマミソサザイ。米ニュージャージー州マネーアイランドで撮影(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NAT GEO IMAGE COLLECTION)

イタチザメが陸生の鳥を食べるという報告はそれまでにもあったが、いずれも一度限りの事例報告だった。2019年5月21日付で学術誌「Ecology」に発表された最新の論文は、イタチザメが陸生の鳥を常食しているという史上初の確かな証拠だ。

■サメの「胃洗浄」からわかったこと

ドライモン氏らは最初の発見後、メキシコ湾プロジェクトの一環として、イタチザメの食性を調べることにした。

同氏らは船上で動きを制することができる程度の小さなイタチザメを捕まえ「胃洗浄」を実施。具体的には、サメの口にホースを入れて、胃の内容物を吸引した。多くが体長1メートル足らずの赤ちゃんで、胃洗浄の後は無傷で海に帰した。8年かけて105匹を調べた結果、41匹から部分的に消化された鳥の死骸が出てきた。死骸のDNAを解析してみると、すべて北米の陸地に暮らす鳥11種のいずれかだった。

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