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サメの赤ちゃん「陸の小鳥」を常食 なぜどうやって?

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ナショナルジオグラフィック日本版

イタチザメは熱帯の海を代表する捕食者だ。体長4.5メートルを超えるどう猛なサメで、ウミガメからゴムのタイヤまで、何でもむさぼり食う旺盛な食欲の持ち主でもある。最新の研究によれば、そのイタチザメの子どもは、さらに奇妙なものを食べていることがわかった。裏庭でよく見かける鳥たちだ。

研究リーダーのマルクス・ドライモン氏がこの事実を発見したのは2010年。メキシコ湾の調査プロジェクトで小さなイタチザメを捕まえたときのことだ。

米ミシシッピ州立大学で海洋漁業の研究を行うドライモン氏は「体の大きさと重さを測定するため、イタチザメをボートに引き上げたところ、大きな羽毛の塊を吐き出しました」と振り返る。「もちろん、すべてかき集め、分析のため研究所に持ち帰りました」

分析の結果、それは陸にすむ鳥チャイロツグミモドキの羽毛だった。イタチザメが食べることで知られるカモメやペリカンといった海鳥ではなかったのだ。

イタチザメが陸生の鳥を食べるという報告はそれまでにもあったが、いずれも一度限りの事例報告だった。2019年5月21日付で学術誌「Ecology」に発表された最新の論文は、イタチザメが陸生の鳥を常食しているという史上初の確かな証拠だ。

サメの「胃洗浄」からわかったこと

ドライモン氏らは最初の発見後、メキシコ湾プロジェクトの一環として、イタチザメの食性を調べることにした。

同氏らは船上で動きを制することができる程度の小さなイタチザメを捕まえ「胃洗浄」を実施。具体的には、サメの口にホースを入れて、胃の内容物を吸引した。多くが体長1メートル足らずの赤ちゃんで、胃洗浄の後は無傷で海に帰した。8年かけて105匹を調べた結果、41匹から部分的に消化された鳥の死骸が出てきた。死骸のDNAを解析してみると、すべて北米の陸地に暮らす鳥11種のいずれかだった。

餌食になる渡り鳥

奇妙なことに、11種のほとんどが、ヌマウタスズメ、ハシナガヌマミソサザイなどスズメ目の鳥だった。庭を訪れ、美しい声でさえずる鳴き鳥たちだ。

しかし、なぜ陸の鳴き鳥たちが次々と海で命を落としているのだろう? ドライモン氏らは市民科学プロジェクト「eBird」のデータを利用し、11種の鳥たちがメキシコ湾に近いミシシッピ州とアラバマ州で最も多く見られる時期を特定。すると、いずれの種も個体数がピークに達するころ、サメの胃袋に収まっていることが判明した。

「この現象が鳴き鳥の渡りと関連することを強く示唆しています」

ほとんどの鳴き鳥が秋に食べられていたことから、南を目指して飛び立った後、予想外の大嵐に見舞われ、海に落ちたのではないかとドライモン氏は考えている。

秋になると鳥たちが増えることに、サメが気付いていた可能性もある。ドライモン氏らが調べた結果、8~11月はほかの時期に比べ、一帯でイタチザメの子どもの数が3倍に増えると判明したためだ。このように餌を動機としてイタチザメが集合する例は、ハワイ州のフレンチフリゲート礁などでも確認されている。フレンチフリゲート礁のイタチザメはアホウドリのひなを食べる。

鳥はイタチザメのベビーフード?

「しかし、もっと興味深いのは、これらのイタチザメの大多数が赤ちゃんだという点です」

赤ちゃんが海に墜落した鳴き鳥にありつくことができるよう、イタチザメの母親がメキシコ湾北部で出産している可能性もある。

オーストラリア、アデレード大学の海洋生物学者サマンサ・マンロー氏はメール取材に応じ、今回の研究は「陸の種と海の種のつながりについて、私たちの認識を変えるきっかけになるでしょう」と感想を述べた。「また、さまざまな興味深い研究課題の素晴らしい出発点になると思います」。マンロー氏は、今回の研究には参加していない。

例えば、鳴き鳥はほかの獲物より栄養が豊富なのかどうかも研究課題になるだろう。マンロー氏は話す。「今後、陸の鳥の熱量や栄養価をほかの獲物と比較すれば、イタチザメの食事と生存にとって、鳴き鳥がどれくらい重要かがはっきりするでしょう」

(文 JAKE BUEHLER、訳 米井香織、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2019年5月23日付]

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