彼女は現在、婦人科でホルモンの薬を処方してもらい、規則的に通院し、服用しています。頭痛はあるものの前ほどひどくはないそうです。メンタル不調にも効いていて、落ち込んだり、死にたくなったりすることがなくなり、業務も順調で、週末には外出できるようになったそうです。
裁量労働制であったため、生活のリズムも不規則、週末に出勤することも珍しくなかったということです。このため、業務を減らし、定時出社にしてもらいました。
裁量労働制は自由でいいのですが、彼女のような状態になると、事情を理解されにくくなり、周りから「また休んでいるのか」と言われたり、上司から「欠勤が多いよね」「突然休むよね」などと言われたりするとつらいですよね。
早めに婦人科の受診を
企業としては、勤怠が悪い女性がいて、生理と何かしら関係ある症状があるのなら、早めに婦人科で受診してもらうのが望ましいでしょう。その結果を聞いて、対応を検討すべきでしょう。
「月経前症候群(PMS)」や「月経前不快気分障害(PMDD)」などに悩む女性はたくさんいるでしょう。だれにでも起こりうる疾患です。うつ病や適応障害によるメンタル不調と間違われやすいのはこういう病気です。
メンタル不調が全て精神疾患ではありません。ご本人であれば、それをどう会社に伝えて、上司に理解してもらい、業務に支障にないように対応してもらうかがポイントとなります。
上司としては、産業医などから指示をもらうことがまずは大切です。それに従い、仕事の負担を減らすなどの対応策が必要となるでしょう。生活のリズムを整えるための配慮も必要でしょう。
管理職の理解が不可欠
女性特有の疾患について男性の上司はほとんど知見がないと思われます。まず企業はこうした現状を理解して、管理職にこうした症状について理解を深めてもらう取り組みも必要ではないでしょうか。
また、他部署であっても気軽に話せる女性上司に相談して、直属の男性上司に説明してもらうなどの仕組みがあってもいいかもしれません。
ただ、女性であっても、「私も同じような経験をしたことがあったが、出社はちゃんとしていたわよ」「生理前のそういう感じは皆、多かれ、少なかれあると思う」などと、自分の経験を前提としたアドバイスすることは、むしろ逆効果になることもありえるので、十分に注意したいところです。
※紹介したケースは個人が特定できないよう、一部を変更しています。

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