機内の乾燥にも負けない CA流仕事メーク講座を体験
何かと迷うオフィスメーク。普段のメークに何を足し、何を引けば自然に仕上がるのでしょうか。今回は、エミレーツ航空が主催するメーキャップイベント「RED HAT」を訪問し、客室乗務員向けメークトレーニングの講師にお仕事メークの極意を聞いてきました。
美しさを引き出すエミレーツ流「目元メーク」
乾燥した機内で立ち仕事をしながら、美しいメークを保っている客室乗務員たち。一体どのようなテクニックを使っているのでしょうか。肌に負担をかけないためにも上手に潤いをキープしたいものです。
エミレーツ航空の本部でメーキャップの講師を務めるソマリ・エラスマスさんによると、客室乗務員は自然体の美しさを生かしたメークをしながら、肌の潤いを保っているそう。
「女性からの人気が高く、世界的に就職が難しい航空会社の一つ」といわれる会社の客室乗務員が実践するメークとは、一体どのようなものなのでしょうか。まずは瞳の美しさを引き出す目元メークから紹介します。
ソマリさんが取り出したブラシは2本。大きいサイズのブラシで明るい色のシャドーをまぶた全体に付けた後、平らで細いアイブロー用のブラシで目のキワに濃い色を付けました。2本のコンビネーションによって陰影を付けるため、アイライナーは不要だそうです。
「エミレーツ航空では、客室乗務員の自然な美しさを引き出すために、アイシャドーはナチュラルな色みの使用が推奨されています。つまり、スモーキーアイのようになる濃い色味やラメ感の強いものはNG。アイシャドーのベースとなる明るい色から順に付けましょう」(ソマリさん)
きめ細かい肌質のアジア系は、色を多用するより、なじみやすい色を付けるほうが映えるのだそうです。
ペンシル型のハイライトを使い、眉のすぐ下に軽く線を引いて親指でぼかします。目を開いたときにインパクトが出る上に、はっきりした印象の瞳になります。目元メークの中でも、ソマリさんが特に重視するポイントだそうです。
マスカラといえば黒をイメージしがちですが、明るい肌色や明るい髪色の女性はブラウンマスカラのほうがより適している場合があります。エミレーツ航空の客室乗務員はマスカラを使うルールになっており、黒または茶色から選んでいるそうです。また購入する商品についても、ソマリさんは次のように指導しているそうです。
「目元は特に肌が敏感なので、ウオータープルーフはおすすめしません。強力なメーク落としが必要になり、肌に負担がかかってしまうからです。マスカラの使用期限は開封後6カ月。それ以上たつと成分が悪化してしまう恐れがあります」(ソマリさん)
ちょいテクで効果大! 口元&目元の保湿ケア
乾燥する時期になると、特に気になるのが唇の割れ目。客室乗務員は潤いを保つため、リップケアにも注意を払っているそう。化粧をする前に必ず角質ケアを行い、寝る前に保湿できるようベッドサイドにリップバームを置いているとのことです。
またサービス業においては、長時間でもメークの状態を保つのも大切なポイント。ソマリさんによると、口紅を長持ちさせるため、はみださないよう唇の形に沿ってリップライナーを引き、ファンデーションの上から口紅を塗っているそうです。
さらに、乾燥する機内で肌の潤いをキープするため、日ごろのケアにも力を入れているとか。特に肌の薄い目元の乾燥対策について聞きました。
「目元のケアにはアイジェルやアイクリームがおすすめです。乗務中は簡単に使えるローラー付きのアイジェルでケアを行い、普段はアイクリームを中指で軽くたたくように付けています。アイジェルを冷蔵庫に入れたり、冷やしたスプーンを目元に直接当てたりすると引き締め効果が上がりますよ」(ソマリさん)
さらに自宅ではフェイスマスクも使っているそう。ソマリさん一押しのフランスの化粧品メーカー「クラランス」のフェイスマスクは特に保湿力が高め。肌の特徴に合わせてさまざまな商品がそろっており、コンディションによって使い分けられるため、長距離出張で飛行機を使う人にもおすすめです。
10時間以上のフライトで上質なサービスを提供している客室乗務員のメークテクニックは、忙しいオフィスメークにも転用できます。ぜひ皆さんもチャレンジしてみてくださいね。
(文 華井由利奈、写真 清水知恵子)
[日経doors2019年4月4日付の掲載記事を基に再構成]
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