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『S.W.A.T.』1970年代の人気作復活 海外ドラマ1位

2019年4月 海外ドラマ月間レンタルランキング

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NIKKEI STYLE

警察では手に負えない凶悪犯罪を解決する特別チームS.W.A.T.の活躍を描いて1970年代に大ヒットしたドラマ『特別狙撃隊S.W.A.T.』が復活。現代のロサンゼルスを舞台にした新作『S.W.A.T.』では、日本でも人気の高いシェマー・ムーアが主役として存在感を発揮。TSUTAYA海外ドラマ月間レンタルランキング4月度で1位に初登場した。

1975~76年に米ABCで放送され、日本でもファンが多かった『特別狙撃隊S.W.A.T.』。オープニングのテーマ曲『反逆のテーマ』は、後に人気番組の「水曜スペシャル 川口浩探検隊シリーズ」のBGMに転用されるなどなじみが深い。2003年にはサミュエル・L・ジャクソン主演で映画化もされた。この往年の人気シリーズを、現代のロサンゼルスを舞台に復活させたのが『S.W.A.T.』だ。全米では17年からCBSで放送が始まり、シーズン2が放送されるヒットシリーズとなっている。

ロサンゼルスで頻発する強盗、テロリズム、刑務所暴動、麻薬取引、ギャング抗争といった凶悪事件。犯人が強力な武器を持つ重大事件が発生した際に出動するのが、ロサンゼルス市警察所属の特殊武装戦術部隊、S.W.A.T.である。

ストーリーはこうだ。サウスセントラル地区で銃撃事件が発生。出動要請を受けたS.W.A.T.が現場へ駆けつけ、容疑者を仕留めるが、チームリーダーのバックが事件と無関係の黒人の高校生を誤って撃ってしまう。バックは懲戒免職となり、地域住民と関係が良好なホンドーが新たなリーダーに任命される。ロングビーチ市警察から配属されたストリートも加わり、ホンドー率いる新生S.W.A.T.は多発する凶悪事件に挑んでいく…。

最大の見どころは、毎回繰り広げられる映画並みのド派手で緊迫感があふれるアクションシーン。映画『ワイルド・スピード』シリーズのジャスティン・リン監督が製作総指揮を務め、第1話は監督もしている。襲撃戦やカーチェイスの迫力は見ものだ。

そして主人公のホンドーを演じるシェマー・ムーアの存在感も欠かせない。ムーアは、犯罪捜査ドラマ『クリミナル・マインド/FBI vs. 異常犯罪』で11シーズンにわたりデレク・モーガン役を演じて、日本でも知名度が高い。鍛え上げた肉体を駆使したアクションの数々も見どころ。また、貧しい黒人家庭の多い地域の出身で、地域住民と警察との板挟みになりながらも、弱者を思いやり、強い信念で正義を貫くキャラクターは共感を呼ぶ。

現代の様々な社会問題も反映

ムーアはプロデューサーも兼ねている。昨年、来日した際には、役作りとして「体を鍛えるために毎日、腹筋のトレーニングを500回やっているよ」と語る一方、娯楽の要素だけでなく社会問題を盛り込んでいる点も見てほしいとアピール。「米国はトランプ大統領の時代になって、とても混乱した状況にある。人種の問題だけでなく、貧困や格差、人身売買、SNSによるいじめ、銃や家庭内暴力など、いろんな問題を提起していくつもりだ。番組を見た視聴者の考え方や視点が少しだけ変わって、他者に寛容になったり、社会の平和につながるきっかけになれば素晴らしいことだよ」と語った。

TSUTAYA マーケティングカンパニー UX・MD部 映像レンタルの後藤信之氏によると、本作をレンタルするユーザーは男性が約7割、年代は60代以上が多いが、次に40代に見られている。「『特別狙撃隊S.W.A.T.』を知る往年のファン、アクションものが好きなファンの双方に支持されています。他のアクションものより女性比率が高いのは『クリミナル・マインド~』からのシェマー・ムーアのファンと考えられます。それぞれを取り込んだ相乗効果が、初登場1位というヒットにつながったようです」とみている。

6月28日からはスーパー!ドラマTVで、早くもシーズン2の日本初放送が始まる。作品の知名度、スターの人気に支えられ、新たなヒットシリーズとして定着しそうだ。

(日経エンタテインメント! 小川仁志)

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