■変化の幅はちょっと大きい、くらいがいい
――高木さんは今回、アイロンを使ってスタイルを作っていますが。
「若い人でアイロンを持ち歩く人が増えましたが、40代にはおすすめしません。それならパーマをかけたほうがいいですね。男性は自分と同じ世代の髪形を参考にする人はほとんどいません。うちには30代、40代の経営者もよくいらっしゃいますが、自分よりも少し若い人の髪形を参考にしたいようです」
「普通のツーブロックはたいていの人が知っていますから、今までとはちょっと違うというところを出さないと目を引きません。ただ、大胆に変化させつつ、自分に似合った髪形にするのは意外と難しい。変化の幅はちょっと大きい、くらいがいいんです。いつもよりサイドがすっきりしているな、流れ方がいいな、くらいが感じられる程度にね」
――髪形なども含めて、いまの30代、40代に影響を与えている有名人といえば……。
「カリスマは木村拓哉さんで髪形をまねしたいという人は多い。映画『マスカレード・ホテル』ではこういう髪形にしていました。また小栗旬さんもドラマ『リッチマン、プアウーマン』に出演していた時に、こんなかき上げスタイルでした。その時は本当にこの髪形の指名が多かったですね」
「男性は臆病だから良くも悪くも今までのスタイルを変更したくないんです。今をときめくIT企業の経営者でも髪形が決まっている人はいない。でも、かっこいいなと思う社会人は最近、こういう髪形が多くなりました。もちろん、この髪形は50代から上の人でもいけます」
(Men's Fashion編集長 松本和佳)
SUITS OF THE YEAR 2021
アフターコロナを見据え、チャレンジ精神に富んだ7人を表彰。情熱と創意工夫、明るく前向きに物事に取り組む姿勢が、スーツスタイルを一層引き立てる。