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配当利回り5%の「お宝銀行株」を見直す(窪田真之) 楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト

2019/5/28

写真はイメージ=PIXTA
「日本株には探せばまだまだ『お宝株』がある」

三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下「三菱UFJ」と表記)が15日発表した2019年3月期の連結純利益は前期比12%減の8726億円でした。「銀行の収益悪化が止まらない」と、メディアにはネガティブなコメントが踊り、決算発表翌日の株価は3.5%下落しました。

■ミスリーディングな「1万人リストラ」

私は決算内容を見て、安定的に高収益を稼ぐ力を示したよい決算だったと思いました。でも市場の反応は違いました。特にネガティブにとらえられたのは「三菱UFJ、業務量削減量1万人超に積み増し」という見出しだったと思います。メディアによっては、「メガバンク、1万人リストラ」という見出しで報じたところもありますが、これはミスリーディングです。

正確には「三菱UFJは、デジタライゼーション(デジタル技術の利用)の推進によって、2023年度までに1万人の業務量を削減できるようにする」ということです。これまで、23年度までに9500人分の業務量削減を目指すと表明していましたが、今回、1万人分に上積みしたのです。

実際の従業員削減数については、同社は「23年度までに(17年度比で)6000名程度の人員減少(自然減)を見込む」としています。

「自然減」ですから定年退職などで6000名減る見込みということです。「早期退職者の募集」のようなリストラを予定しているとは言っていません。

投資家からみれば、23年度までに1万人分の業務量削減にメドがたったのはポジティブなニュースです。従業員数が自然減で6000人減れば、人件費は大幅に減ります。さらに、1万人の業務量を削減する一方、人員減が6000人なら4000人分の余剰が生まれます。収益性を高めるためのさまざまな事業(海外事業やデジタライゼーション関連)に人材を活用していくと考えられます。

■株価指標は極端に割安

私は以前から、三菱UFJの収益力や財務内容は株式市場で正しく理解されていないと思っていました。極端に割安な株価指標がそれを表しています。同社のPER(株価収益率)は21日時点でたったの7.3倍。東証1部全体の平均(13.4倍)と比べて、大幅に低い評価です。過去8年間、金利が大きく低下する中でも、安定的に8000億~1兆円の純利益を稼ぎ続けている銀行に対して、あまりに低い評価だと思います。

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