マネーコラム

Money&Investment

高齢の親の財産、スマホで信託 親族のトラブル回避

2019/6/1

子どもにとって、高齢の親が使うお金の管理や遺産整理は難しい。特に認知症で判断能力がないと、銀行は預金の引き出しに応じない。家族が代わりに引き出すこともできない。財産管理を信託銀行などに任せる「信託」を使うのが対策の一つだが、契約手続きや利用が煩雑という問題があった。信託銀行はスマートフォン(スマホ)を使って、効率的に老後のお金を管理する新しいサービスの提案を始めた。

■手続き難しく

認知症への備えは、誰にとっても避けて通れなくなっている。2025年には高齢者の5人に1人が認知症になるという推計もある。高齢になると、悪質商法などの被害にあうリスクもある。信託銀行は高齢者や家族の不安に応える形で、新商品の開発を急いでいる。

各信託銀行は後見制度を活用した「後見制度支援信託」をそろえている。家庭裁判所の指示に基づいて決めた後見人にお金の管理を任せる。後見人は弁護士や司法書士など専門家が多い。手続きが難しく契約にも時間がかかることもあり、利用が広がっているとはいえなかった。

三菱UFJ信託銀行は3月から、高齢者の家族らが本人のためにお金を引き出せる信託商品の販売を始めた。「つかえて安心」は、スマホアプリを使って家族や親族が入出金を確認できる。認知症になった後ではお金の管理が難しくなるので、なる前に銀行と信託契約を結ぶ。

■アプリで通知

まず、高齢の契約者が自分の子供などの家族をお金を管理する「代理人」に指定する。例えば、代理人となった子どもは親のために使った出費について、裏付けとなる領収書をスマホで撮影する。アプリを通じて、領収書の写真をお金の管理を委託した三菱UFJ信託に送ると、代理人でない兄弟のもとに払い出しの請求があったことをアプリから通知する。

兄弟は不正な利用でないことを確認できる仕組みだ。疑わしい場合は払い込みの前に代理人に指摘できる。兄弟間や親族間であっても相続が絡んでお金のトラブルになることがあることに対応した。

マネーコラム 新着記事

ALL CHANNEL