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4万年前から6世紀まで こんなに変わった英国人の顔

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ナショナルジオグラフィック日本版

2018年、褐色の肌に青い瞳をもった1万年前のイギリス人「チェダーマン」の顔が復元されると、ブレグジットと移民問題で揺れる英国で、真の「先住民」はどんな人々だったのかという論争に火が付いた。そして、2019年、新たに7人のブリテン島の「先住民」の顔が公開された。イングランド南部の海岸で発見された頭骨を基に、法医学の技術を使って復元したものだ。

この地域が、考えられていたよりも複雑な歴史をもつことを物語っている。7人の顔は、19年1月26日から英国ブライトン博物館・美術館に展示されている。

博物館のコレクション管理責任者リチャード・ル・ソー氏の説明によると、7人のうち5人は、サセックス州南東部の町ブライトン周辺で発掘された紛れもない地元民であるという。現代に一番近い人物は1500年前の男性で、死亡時の年齢は40代と考えられている。この男性は、ローマ人によるブリタニアの支配が終わり、大陸からゲルマン人が侵入した6世紀のアングロ・サクソン時代に生きていた。ちなみに「イングランド」という名称は、アングロという言葉に由来したものだ。

残る2人は4万年前の人物で、ネアンデルタール人女性と、初期の現生人類の男性だ。実は、欧州のほかの地域で発見された頭骨を使って復元したものだ。約4万年前のイングランド南部・ブライトンには、ネアンデルタール人と現生人類がともに生きていたことが分かっている。

大陸と陸続きだった時期も

14カ月かけて古代のイギリス人の顔を復元したのは、考古学者で彫刻家のオスカー・ニルソン氏だ。ほかに、1200年前のペルーの貴婦人や9000年前のギリシャに住んでいた10代少女の顔の復元を手がけたこともある。ニルソン氏はまず頭骨をスキャンし、3Dプリンターで正確な立体模型をプリントする。それに、その人物の出身地、性別、死亡時の推定年齢といった情報から、骨の構造や肉の厚みを決め、手で肉付けていく。

最近の古代ヨーロッパ人のゲノム解析により、肌、頭髪、瞳の色はある程度正確に推測できるようになった。例えば、7人の1人である5600年前の「ホワイトホークウーマン」が属していた新石器時代の人々は、1万年前のチェダーマンなどよりも肌の色が薄く、瞳の色が濃い。一方、後にユーラシア大陸からやって来た4400年前の「ディッチリングロードマン」は、肌と瞳の色がもっと薄かった。彼は、その頃に大陸からブリテン島に押し寄せ始めたビーカー人と呼ばれる農民の集団に属していた。

英国は現在、欧州連合離脱交渉の最終段階に入ろうとしている。この展示をきっかけに、ブライトンの先住民やユーラシア大陸との文化的つながりについて対話が生まれることを、ル・ソー氏は期待している。

「私たちがどれだけ大陸と強く結びついてきたか、各時代における民族の大移動がどれだけ私たちの歴史に影響を与えてきたかを伝えられればと思っています」。ル・ソー氏はまた、ブリテン島がユーラシア大陸と過去数度にわたって陸続きだったことがあり、わずか8000年前にもつながっていたと付け加えた。

それぞれ個性的だった

今回の展示の興味深い点は、科学によって彼らの人生が明らかにされたことだと、ニルソン氏は言う。「これまで数多くの頭骨を扱ってきましたが、7人はどれも個性的でした。完成した顔から、それぞれの人生が見えたのです」

特にホワイトホークウーマンには、ただならぬ事情があったことがうかがえる。この女性は5000年以上前に、現在のイングランドとウェールズとの境あたりで生まれ、その後ある時点でサセックスへ向かって東へ数百キロ移動し、新石器時代の墓地に幸運のお守りとともに埋葬されたことが分かった。

骨盤のあたりに胎児の骨があったことから、女性は出産時に死んだと思われる。顔を復元するという芸術的作業に取り組む際、ニルソン氏はこの科学的洞察を生かすようにした。

「少しばかり好奇心を抱いていて、未来のことを考えているような表情にしようと思いました。この女性は、出産が原因で亡くなったと思われますが、その直前の彼女の姿を想像して顔を復元しました」

2300年前の男性「スロンクヒルマン」の制作も「苦労した」とニルソン氏は語る。骨の構造から、鉄器時代の20代男性で、「おそらくハンサムな部類に入っていた」と想像できるが、この手の顔はマネキンのようになりがちだという。また、目の上の額が大きく張り出していて、残酷そうな顔つきに見えただろうともいう。「笑みを浮かべさせようとすると、どうしても不気味になってしまいます」

1500年前の「スタッフォードロードマン」の顔も迷った点があるという。彼はアングロ・サクソン時代の男性で、顔にできたひどい腫れものが原因で死んだとされている。死亡時、腫れものは膨れ上がっていたはずだが、ニルソン氏はその部分をあえて目立たせないことにしたという。

「ある程度の尊厳を持たせ、博物館の来館者に、彼とのつながりを感じてもらいたかったのです」

次ページでは、このスタッフォードロードマンや、4万年前の同時期の現生人類とネアンデルタール人の顔も紹介する。

(文 KRISTIN ROMEY、訳 ルーバー荒井ハンナ、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2019年1月30日付記事を再構成]

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