4万年前から6世紀まで こんなに変わった英国人の顔

日経ナショナル ジオグラフィック社

4万年前:ネアンデルタール人の女性 この女性はヨーロッパの別の場所で発見されたものだが、イングランド南部で出土した遺物から、ブライトンでは約4万年前にネアンデルタール人と現生人類が共存していたと考えられている。最後の氷河期の間、ユーラシア大陸とブリテン諸島を行き来するのは簡単だった(COURTESY ROYAL PAVILION & MUSEUMS, BRIGHTON & HOVE)
4万年前:初期の現生人類 この人骨もヨーロッパの別の場所で見つかったもの。ホモサピエンスの作った道具から、ネアンデルタール人が絶滅しようとしていた時期に現生人類もブライトンに住み着いていたことがわかっている。ネアンデルタール人と現生人類が、4000年間ヨーロッパで共存していた可能性を示す研究もある(COURTESY ROYAL PAVILION & MUSEUMS, BRIGHTON & HOVE)
スロンクヒルマン、2300年前 死亡時の年齢は20代後半だが、死因は謎だ。1968年の高速道路建設中に発見された。活動的で屈強、健康な青年だったとみられる。備蓄用の穴の底に、体をやや折り曲げた状態で埋葬されていた。鉄器時代の典型的な埋葬法だが、奇妙なのは、男性の骨の下に軟体動物が分厚く敷き詰められていたこと。スロンクヒルマンの食事にシーフードは含まれていなかったはずなのに(COURTESY ROYAL PAVILION & MUSEUMS, BRIGHTON & HOVE)
1700年前:パッチャムウーマン ブリテン島が古代ローマの支配下にあった時代に生きていた女性で、1936年に溝を掘っていた労働者が発見した。かなり深い穴を掘って埋められていたようだが、ひょっとするとそこは犯罪の現場だったかもしれない。女性の後頭部には釘が深く突き刺さり、膝のあたりにも釘が数本散乱していた。すぐそばに男性の人骨も見つかっており、ふたりは互いに足を向けて横たわっていた。女性の脊椎や関節にはストレスや病気の痕が見られ、生前は絶えず体の痛みに悩まされていたと思われる。死亡時の推定年齢は25~35歳(COURTESY ROYAL PAVILION & MUSEUMS, BRIGHTON & HOVE)
1500年前:スタッフォードロードマン 1985年に建設現場で発見された。男性は、ローマ人が去った後に押し寄せたサクソン人の第一波とともにブリテン島へ渡り、西暦500年頃にやりと刀と一緒に埋葬された。死亡時の年齢は45歳以上。当時としては長生きで、活動的な生活を送っていた。脊椎、肩、腰に関節炎の痕が見つかったほか、歯には巨大な腫れものができていた。おそらく、男性は膿瘍による激痛に苦しめられ、その感染症が脳に広がって命を落としたと思われる(COURTESY ROYAL PAVILION & MUSEUMS, BRIGHTON & HOVE)

(文 KRISTIN ROMEY、訳 ルーバー荒井ハンナ、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2019年1月30日付記事を再構成]

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