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ジョン・グレイ著 児島修訳 ダイヤモンド社

ジョン・グレイ著 児島修訳 ダイヤモンド社

米国の心理学者が25年前にベストセラーとなった自著『ベスト・パートナーになるために 男は火星から、女は金星からやってきた』をアップデートした本。男女の生物学的特性の違いを知り尊重してこそ、両者の関係はより良くなるとの主張は前作同様。しかし、外で働く女性、家事をする男性が増えたことなど、さまざまな環境の変化により関係改善のスキルも変わったと述べる。男女の心身を支配するホルモンを重視する科学的な記述には説得力がある。個人差の大きいテーマだけに実感と異なる指摘もあるはずだが、パートナーと感想を共有できたら互いの理解が大いに深まりそう。

要点1 働く女性は男性ホルモン優位に

女らしさ(共生、情緒、受容性など)は女性ホルモンのエストロゲンと、男らしさ(自立、冷静、積極性など)は男性ホルモンのテストステロンと深く関わる。男女問わず、女らしい行動をするとエストロゲンが増え、女らしさが保たれる。男らしい行動はテストステロンを増やし、テストステロンが増えるとエストロゲンは減る。

一般に、女性の健康と幸福のためには男性の何倍ものエストロゲンが必要。外に出て働いている女性はテストステロンレベルが高まりがちなので、私生活では意識的に女性らしい行動をしてエストロゲンを増やしたい。ちなみに、女性も男性も女らしさと男らしさとを併せ持っており、両者のバランスは人それぞれ違う。本来発揮したい男らしさや女らしさを無理に抑えているとホルモンバランスが崩れ、心身の健康やパートナーとの関係に悪影響が及ぶことも。

要点2 「ビーナス・トーク」でホルモンバランス回復

男女がそれぞれのホルモンレベルを回復させるには、女性が仕事への不満などを話し、男性がそれを聞く「ビーナス・トーク」が効果的だ。その際のルールは、女性は男性に対する不満は言わず、男性は聞き役に徹すること。女性の愚痴を聞くと男性は解決策を提案したくなるものだが、努めて口は挟まない。これは女性のニーズが解決策ではなく、話を聞いてもらうこと自体にあるためだ。10分間ほど続けたら、最後に長めのハグをする。抑えていた感情を思うさま話すことで、女性はエストロゲンを増やせる。男性も彼女を幸せにしているという成功の感覚によりテストステロンが増え、男らしさが回復。お互いが本来の自分らしさを取り戻せば、恋愛感情も長続きする。

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