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学部の種類は50年で8倍に 志望大学はどう選ぶ

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NIKKEI STYLE

大学の学部の種類がこの50年で8倍以上にもなっていることをご存じですか?特に高校生の皆さんは、どの学部を選んだらよいのか戸惑ってしまうかもしれませんね。

実際、親御さんのほうも分からなくなってしまうようです。全国の高校・大学で講演をしていますが、高校の保護者向け講演をすると質疑応答で間違いなく出てくるのが「●●学部(学科)というのがよくわからないのですが……」という学部・学科についての質問です。

保護者や高校生が分からないのも当然です。1966年、学部の種類はわずか63しかありませんでした(文部科学省学校基本調査)。それが2018年には526と急増しています。学科は学部よりも細分化され、3000を超えています。

あまりにも細分化されており、学部・学科の名称だけでは、教育内容や就職先について想像ができないのは無理もありません。保護者や高校生本人どころか、高校の進路指導担当教員ですら全て把握できていません。

学部学科が増えた理由は?

 ここまで学部学科が増えた理由としては「規制緩和」「大学の広報戦略」「社会の変化」の3点が挙げられます。

まず規制緩和ですが、1990年以前は学部・学科の種類数は限られていました。新設時に新たな名称を付けようとしても文部省(現・文部科学省)から厳しく制限されていたのです。

それが1991年に大学設置基準が変更となりました。これにより、学部・学科の種類数が一気に増えることになります。それまでは論外とされていたカタカナ学部名も認められるようになりました。

2点目は、大学の広報戦略です。少しでも新学部・新学科の独自性を出そうと、各大学は学部・学科名にこだわるようになりました。その結果、その大学以外に存在しないオンリーワン学部が多数を占めるようになったのです。

3点目は社会の変化です。社会の情報化・複雑化が進むにつれて大学も変化するようになりました。学部・学科についてもそれまで注目されていなかった分野が学部・学科として独立することが多くなったのです。その逆に、それまでは学部・学科だったものが注目されず、学科ないしコース・専攻に降格していくことも増えていきました。

1990年代以前は専門学校が教育の主を担っていたジャンルが大学に移行している、という現象も見られます。例えば、マンガは専門学校が主でしたが、2000年に京都精華大学がマンガ学科を開設。当時は「大学でマンガなんて」と非難する意見も多数ありましたが、現在では京都精華大学のマンガ学部に昇格し、マンガ関連の学部・学科は15校まで広がっています。

これらの理由によって、日本の大学における学部・学科は保護者や高校生が理解できないほどにまで、種類が増えていきました。

志望校の候補にするための3つの視点

では、保護者・高校生が新設学部・学科を志望校候補とするかどうか、その判断をするためのポイントも3点あります。「前身学科」「文理融合」「入学後の生活」です。

まず1点目ですが、大半の新設学部・学科は前身があります。学科だったものを学部に格上げする、コース・専攻を学科にする、短大・専門学校を学部にする、などなど。

前身の学部・学科ないしコース・専攻がどのような教育をしていたか、どのような就職実績だったかを見ていくといいでしょう。新設学部・学科に前身がある場合、前身の教育・就職実績等を引き継いでいるからです。

例えば、2019年に開設した京都産業大学国際関係学部。やや乱立気味の国際系学部ですが、京都産業大学の場合、前身となる国際関係学科は2008年開設。それ以前も留学制度の整備などをしており、実績があります。

2点目の「文理融合」について。日本ではなぜか文系・理系と分けたがる慣習があります。本来は文系・理系を分けることに意味がありません。それもあって、日本の新設学部・学科は文理融合を標榜するところが多くあります。私は理念としての文理融合は理解できます。が、学部・学科選びという点において、文理融合は保護者・高校生を惑わせることになっているのも事実です。

それから、文理融合を標榜する新設学部・学科はごく少数の教養系学部・学科を除けば、文系・理系のどちらかに偏っています。そのため、前身の教育内容に加えて教員の陣容を見ていけば、文系・理系のどちらに偏っているかが判別できます。

文理融合の学部・学科と見られる(あるいは大学が標榜している)新設学部だと、横浜国立大学都市科学部は都市社会共生学科が文系寄り、建築・都市基盤・環境リスク共生の3学科は理系寄りです。滋賀大学データサイエンス学部は理系寄り。一方、九州大学共創学部は文系・理系教員が拮抗しています。

3点目は入学後の生活です。保護者にしろ、高校生にしろ、教育内容か就職実績だけを注目しがちです。それだけでなく入学後の生活も注目していただきたいところ。と、言いますのも、新設学部・学科は既存の学部以上に、学生生活にもこだわっています。TOEICのスコアを取らないと進級できない、とするところもあります。また、国際系学部を中心に留学が必須というところもあります。

留学は半年から1年などの長期間を必須にする大学もあります。留学先の学費は日本の大学の学費に込みのところが大半でしょう。しかし、生活費・渡航費は自己負担です。入学金・授業料以上に渡航費・生活費等がかかる、ということもあり得るので注意が必要です。アジア圏かヨーロッパ圏かなど留学先や期間にもよりますが、高いと数百万円近い負担となります。

文系だと観光や地域、理工系だと環境、IT(データサイエンスを含む)などの分野がこの10年で注目され、関連学部・学科も増えています。こうした新設学部・学科も含めて、志望校候補を検討するといいでしょう。6月6日に日経HRより「価値ある大学2019年版 就職力ランキング」が刊行されます。この中で私も学部学科の解説をしておりますのでもしよければお読みください。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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