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やってるのに妻不満 夫婦のズレ生む「名もなき家事」 経済コラムニスト 大江英樹

2019/5/30

写真はイメージ=123RF

シニア男性のみなさん、「名もなき家事」という言葉をご存知ですか? 料理、洗濯、掃除などのように、ちゃんとした名前が付いているものではなく、日常生活の中でほんのちょっとした手間のかかる作業のことを言います。例えばゴミ出し、脱ぎっぱなしの服の片づけ、トイレのタオルの取り換え、調味料の補充といった項目の数々です。

この言葉は大和ハウス工業が2017年5月に発表した家事に関する意識調査をきっかけに知られるようになり、こうした名もなき家事の種類は30項目もあるそうです。共働き夫婦でも料理、洗濯、掃除といったものは比較的分担がちゃんと決まっているので、それほどもめることはありません。ところがこうした名もなき家事は夫があまり気付かず、どちらがするのか曖昧なままになることが多いため、夫婦間で不満の種になりやすいようです。大和ハウスのアンケートによると夫の家事の参加率について、夫自身は全体の3割ぐらいやっていると感じているのに対し、妻は1割程度しかやっていないというギャップがあるそうです。このギャップの正体が、名もなき家事なのでしょう。

■集積所に持って行くことがゴミ出しではない

実はゴミ出し一つ取ってみても、(1)ゴミ箱は分別して設置しておく(2)ペットボトルのようなものは飲み切った後、中を洗ってラベルをはがし、キャップとボトルを別々に捨てる(3)家中のゴミ箱からゴミを回収して袋に詰める(4)生ゴミの場合は汁などがこぼれていないか確認し、もしこぼれていたら拭く(5)新しいポリ袋を全てのゴミ箱に入れる、といった一連の作業をして出来上がったゴミ袋を集積所へ持っていくことでようやく完了となるのです。

ところが多くの夫は、妻に「あなた、ゴミ出しお願いね」と言われると「OK! で、捨てるゴミはどこに置いてあるの?」などと無邪気に聞いて妻をあきれさせます。妻にしてみれば一連の作業を全部こなして、初めて「ゴミ出しをした」ということになるのです。玄関に置いてあるゴミ袋を集積所へ持っていくことだけがゴミ出しだと思っている夫にガッカリするのは当然かもしれません。

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