キーワードは低糖質・使い切り 最近1年の人気食品「日経POSセレクション2019」発表

2019/5/29

単身や高齢者世帯に使い切り・食べきり人気

使い切りかつおパックマイルド 1g×12p

単身世帯や高齢世帯の増加に伴い、使い切りや食べきりサイズの商品に人気が集まったのも今回の特徴だ。

ゴールド賞のヤマキの「使い切りかつおパックマイルド 1g×12p」は1回で使い切れる小分けタイプ。日経POS情報によると、2018年度の来店客千人当たり販売金額は前年度比55.3%増と大幅増加した。

量を減らすと、かつお節消費が落ち込むとの懸念があったが、ふたを開けてみると主要顧客層の60代以上だけでなく40代以下の層にも利用が広がった。特に単身世帯の購入率は同社の既存商品に比べ2倍超と高い伸びを示す。使いかけのまま、ムダにしてしまった経験から「大容量のお得商品から使い切れる量が適量と考える消費者が増えている」(同社)という。

『極』食べきりパック

セレクション賞の雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)の「『極』食べきりパック」も単身世帯の増加を見越して、マイタケの量をMパック(約100グラム)より少し抑えた約80グラムにした。

高齢世帯で「1回の料理で使い切れる」と好評なだけでなく、お試しで購入した20~40代がその後、リピーターになるなど顧客開拓にもつながっている。

創意工夫で地方企業発の商品奮闘

うす切りスライス しゃぶしゃぶもち 180g

セレクション賞では創意工夫で大きく売上高を伸ばした地方企業発の商品の健闘も光った。たいまつ食品(新潟県五泉市)の「うす切りスライス しゃぶしゃぶもち 180g」は、日経POS情報の来店客千人当たり販売金額が前年同期比41.3%増と高い伸びを示した。

季節性の高い餅を通年商品にするため、しゃぶしゃぶや鍋の具材として餅を薄くスライスした。今年で発売34年目だが常に改良を続けてきた。餅を薄く切ると、どうしても気泡部分に穴ができるため、技術面で改善を重ねた。餅が薄く配送時にひび割れてしまうことがあったため、梱包を工夫するなど輸送方法にも知恵を絞った。

国内産ふっくら芽ひじき

ヤマナカフーズ(三重県伊勢市)も素材や製法にこだわり、「国内産ふっくら芽ひじき」を人気商品に育て上げた。国内で消費されるヒジキの9割は外国産だが、同商品は国内産にこだわった。国産素材を求める消費者を中心に人気を集める。

製法にもこだわる。大量のヒジキを常圧の釜で蒸すのが一般的だが、同社では独自開発した「真空蒸煮製法」で少量ずつ、真空にした釜の中で蒸すことで、ムラなくふっくらと蒸し上げることができるという。

200万点の商品から選定

「日経POSセレクション」は、日本経済新聞社が独自集計するPOSデータのデータベースサービス「日経POS情報」を基に選定する。

1年間に来店客千人当たり販売金額の伸び率が前年度比20%以上と人気が急上昇した商品で、なおかつ店舗カバー率や日経商品分類の小分類(2000分類)内の順位、メーカー別シェア伸び率など4つの指標で、一定基準を満たす必要がある。伸び率の高さなどに応じ最高峰の「プレミアム賞」のほか「ゴールド賞」「セレクション賞」の3賞に分かれる。

3回目となる今回は2018年4月から19年3月までに販売された加工食品・飲料・酒類など約200万点の中から選定した。日経POSセレクションに選ばれた商品は日本経済新聞社の許諾を得たうえで、商品パッケージや店頭販促(POP)といった各種販促の際に、エンブレムを活用できる。


17年以降、POPや商品パッケージにエンブレムを利用しているオギハラ食品(福岡県大牟田市)の「ごまたかな」の場合、来店客千人当たり販売金額が2年間で6割増となった。「地方企業が首都圏で攻勢をかける際、日経POSセレクションは大いに役立った」(同社)

小売店側の利用も増えている。ダイエーでは、18年7月に関東の約60店舗で日経POSセレクションに選ばれた20商品をチラシに掲載。それに合わせて店頭で1週間、専用コーナーを展開したところ、消費者の注目を集め、各商品とも売り上げが拡大した。

日経POSセレクション2019の特設サイトはこちら

[2019年5月29日付 日本経済新聞朝刊]

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