MONO TRENDY

モノ・フラッシュ

19年ヒット家電 黒船シャークがハンディ掃除機制す

日経トレンディ

2019/6/7

19年上半期にヒットした家電製品
日経トレンディ

雑誌「日経トレンディ」は全12の商品ジャンルを定め、2019年上半期にヒットしたものを選定し「上半期ヒット」とした。そのなかから、「新規性・売れ行き・影響力」という 3つの評価項目に則り「大賞」を決めた。下半期に注目の新商品やサービス、これから売り上げが爆発的に伸びそうなものは「令和ヒット予測」とした。今日は家電・デジタルのジャンルを紹介する。

◇  ◇  ◇

2019年上半期の家電市場でひときわ光ったのは、低迷していたハンディ掃除機市場に、米国から新規参入してトップシェアを握った「黒船」のシャークニンジャ。18年9月に発売した「Shark EVOPOWER(シャーク エヴォパワー)」2製品が、テレビCMを全く流さなかったにもかかわらず、約4カ月でメーカー別の販売台数シェアでトップに立った。

■2019年上半期ヒット大賞 「置き場所革命」でCMなしでも売れた

「Shark EVOPOWER」(シャークニンジャ)


本体は500mLペットボトルほどの太さ。充電台も小型化して机の上や本棚の中にも置けるようにし、ほうきやモップのようにさっと取り出して掃除する用途を開拓した。手に吸い付いて落ちないほどの吸引力も特徴だ。

注)ビックカメラ全店のハンディ掃除機売上台数順位。集計期間は19年2月1日~4月10日
店頭POPでは、吸引力とごみの捨てやすさ、W30のダブルバッテリーをアピール

EVOPOWERが捉えたのは、ちょっと食べ物をこぼしたときなどに、手軽に掃除したいというニーズ。同社日本法人のゴードン・トム社長は、「スティック掃除機がコンパクトになったとはいえ、置き場所は部屋の隅に限られる。EVOPOWERの開発では、本体だけでなく充電台のサイズも極限まで小さくし、机の上や棚の中など手が届く場所に置けるように配慮した」と、工夫を語る。「小型の割に吸引力があるので、手に吸い付けてぶら下げる実演をするとよく売れた」(ビックカメラ)と店頭でも話題を呼んだ。

吸引力の強さを示すデモを行う、シャークニンジャのゴードン・トム社長
充電台を小さくして圧迫感を抑えた。写真右端が開発初期の試作品。中央がW20、左端がW30の付属品。W20はバッテリーが1つ。上位モデルのW30はバッテリーが2つで、充電台では予備バッテリーも充電できる

EVOPOWERの登場後、ツインバード工業やパナソニックも細身のハンディ掃除機を投入。シャークニンジャも「近いうちにラインアップを拡充したい」(トム氏)と言い、市場はさらに活性化しそう。サイズとデザインの工夫で、置き場所を広げた着眼点を評価して「大賞」とした。

■共働き家電の改良モデルも成功

4~5年前に登場し、家事をできるだけ省力化したい共働き世帯に支持された「ほったらかし家電」は、ラインアップの拡充でより多くの家庭に受け入れられる土台が整った。ロボット掃除機の代表格である「ルンバ」シリーズ(アイロボット)は、ダストカップを水洗い可能にして価格を下げた、18年10月発売の「ルンバe5」がよく売れた。19年3月に発売された、自動ごみ捨て機能を付加した「ルンバi7+」も出足好調だ。シャープが15年から販売する無水調理鍋の「ヘルシオ ホットクック」も、IoT対応の小型モデルを発売して選択肢を広げ、シリーズ全体の売り上げが前年比で5割増えた。

上半期一のユニークなヒット商品といえば、昨今のバーチャルYouTuber(VTuber)の勢いを表す売れ方をした、ローランドの「VT-4」。声色をリアルタイムで変えられる装置で、本来はアーティストがライブで使用するプロ仕様の機器だった。これが「おじさんでも美少女の声を出せる」と評判になり、女性キャラを使って配信をする男性VTuberの支持を集め、品薄状態が続いている。

一方、令和に販売を伸ばしそうな製品の筆頭が、ネスレ日本のカプセル式コーヒーメーカー「ネスカフェ ドルチェ グスト」シリーズ。スターバックスと提携し、同店の味を自宅で再現できるカプセルを4月から販売する。それと同時に上位機の「同エスペルタ」などを投入してラインアップも拡充した。

令和時代を象徴する家電になる可能性を秘めているのが家庭用ロボット。10月から「LOVOT」(GROOV E X)が新規参入する。「癒やし」など利便性以外の価値を訴求するのはユニークだ。税別で1体約30万円と高額にもかかわらず、初回出荷分は3時間で売り切れた。ソニーの「aibo」を上回る人気を獲得できるか注目だ。

【上半期ヒット】テレビでも紹介された、人気の脱臭専用機

「ジアイーノ F-MV1000」(パナソニック)

病院で感染対策として使われる「次亜塩素酸」を生成して除菌・脱臭する。バラエティー番組で「くさやのにおいが消える」と紹介されたこともありヒット。8畳まで使える小型タイプを追加し、ラインアップを拡充した。加湿や空気清浄の機能はないが、「最近の空調家電は単機能で高性能な商品が好調」(ビックカメラ)。

【上半期ヒット】AIよりも自動洗浄機能で高評価

「白くまくん」プレミアムXシリーズ(日立ジョンソンコントロールズ空調)

通常は業者に掃除を依頼する必要がある熱交換器の自動洗浄機能があり、好調なエアコン市場の中で頭一つ抜けた存在に。カメラとAIの組み合わせで個人の室温の好みを識別する機能もある。18年発売の新製品には、送風ファンを洗浄できる機能も加え、販売数では前年をさらに上回った。

【上半期ヒット】「効果に驚きの声」で伸長

「ジェットウォッシャードルツ EW-DJ71」(パナソニック)

歯ブラシで取り切れなかった食べかすや、歯周ポケットの汚れを水流で洗い流す口腔洗浄機。17年の発売だが、18年秋になって「驚くほどの汚れを落とすことができた」というレビューが話題になり、販売台数を伸ばした。

MONO TRENDY 新着記事

MONO TRENDY 注目トピックス
日経クロストレンド
PayPay100億円還元策の舞台裏 景表法の限界に挑戦
日経クロストレンド
「筒がない」高級ドライヤー好調 プロの不満も解決
日経クロストレンド
ファミマ新決済の全貌 したたかなキャッシュレス戦
日経クロストレンド
勢い止まらぬカシオG-SHOCK 目標は年1200万個
ALL CHANNEL