家は買うべきか、借りるべきか 定番議論に欠けた視点不動産コンサルタント 田中歩

写真はイメージ=PIXTA
写真はイメージ=PIXTA

住まいは買うべきか、借りるべきか。この議論は昔も今もあちこちでなされています。このコラムの読者のなかにも、同様の悩みを抱えている人は少なからずいるのではないでしょうか。ただ、買うか借りるかで悩みすぎても仕方がないと筆者は考えています。

どんな暮らしをしたいのか

住宅系の雑誌やウェブサイトでは「購入したほうが得」「いや、借りたほうが得」といった意見がたくさんみられます。住まいを探していて、筆者のところに相談に来る人の多くも「住宅ローンを組んででも買ったほうがいいのか」「無理せず賃貸に住み続けたほうがいいのか」で悩んでいる人が多くいます。

しかし、もっと大切なことがあるはずで、それは「欲しい暮らしはどんなものか」「今、あなたやあなたの家族はどんな暮らしを求めているのか」ということではないでしょうか。残念なことに、買うか借りるかの議論にはこうした視点が欠けているように思えてならないのです。

この質問に対する具体的なイメージを持っているかどうかによって、住まいの購入や住み替えの成否が決まります。買うにしても借りるにしても、なにがしか求める暮らしがあるはずです。それがはっきりしている人は、現在の住まいでも求める暮らしに近づける工夫を楽しみながらやっています。

それでも実現できない部分がはっきりしたとき、どのような住まいを選ぶべきかが明確になり、住み替えで欲しい暮らしをより高いレベルで実現することができているのだと思います。

欲しい暮らしを家族で話し合う

一人暮らしであれば欲しい暮らしはイメージしやすく、そのためにどのような住まいを選べばよいかは比較的簡単にわかると思います。しかし、家族で住み替えとなると、家族のそれぞれが持っているイメージが全く違っていることが多々あります。

住み替えることだけはなんとなく決まっているものの、欲しい暮らしのイメージが異なるため、いろいろな部分の擦り合わせができない事態が多発するのです。

近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし