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台湾古来のスパイスでやみつきの味 東京・江戸川橋

見た目は黒コショウそっくりのマーガオ

「現地には冷凍マーガオもあったんです」と齋藤さんが写真を見せてくれた。黒っぽい色合いの乾燥ものとは異なり、緑色を帯びている。

生マーガオを冷凍したもので、かむとジュッと液があふれ出し、すがすがしいほどにフレッシュな香りが立ち上るという。乾燥ものよりさらに見つけるのが難しいというスパイスだが、2人が冷凍マーガオを見つけた経緯は今の時代ならでは。インスタグラムで「馬告」をハッシュタグ検索したところ、ちょうどこれを売る台北の店が投稿したばかりのスパイスの写真を発見したのだ。コンセプトが決まってから1カ月で開店という目まぐるしいスケジュールで、今はまだ手をつけられていないが、そのうちこのスパイスを利用した料理も考えたいと意気込む。

台湾の定番料理、魯肉飯(ルーローハン)に、葱油鶏(ソンユーチー)、排骨(パイコー)を合わせ盛った「ミックスハン」 ランチ時のみのメニュー
上のようなご飯や麺料理のランチセットに付いてくる「マーガオ鶏スープ」 マーガオの香りと野菜の味わいが体に染み渡る

「FUJI COMMUNICATION」では、水ギョーザ以外にもマーガオを使った料理を出す。いずれもスパイスが最大限に生きるよう考えたメニューだ。

ランチメニューに付く「マーガオ鶏スープ」は、鶏とハクサイ、ネギ、セロリといった野菜だけを6、7時間煮込んだスープ。鶏のスープは冷凍マーガオを見つけた店で、よく知られたマーガオ料理として教えてもらったメニューだという。透明感のある味わいのスープにマーガオをふりかけると、香りとピリリとした刺激がぐっと引き立つ。「このスパイスと出合ってからまだ日が浅いので、メニューの開発に本腰が入れられるのは実はこれから」と2人は言う。

取材時には、マーガオ料理としてよく知られている、これを使ったソーセージの開発に取り組んでいた。パンチのある肉の味わいはかえって香りの邪魔になる。だから、「肉は粗びきではなく細びきでいいんじゃないかと思っています」と齋藤さん。シンプルであること――それがマーガオを生かす料理の秘けつと考えているのだ。

試作中の、マーガオと合わせた豚バラソーセージ

オープン1カ月半で早3、4回訪れたリピーターもいるという店の客は7割が女性。マーガオ料理狙いで来店した客もいるそうだ。2人は、マーガオ生産者の元に収穫体験にも行く予定だという。真っ白だったマーガオの「レシピブック」に、これからどんな料理が加わっていくのか、楽しみで仕方ない。

(フリーライター メレンダ千春)


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