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仕事はできるのに「困った社員」 パターン別の対策

こちら「メンタル産業医」相談室(33)

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日経Gooday(グッデイ)

爽やかな緑と風が心地よい季節になりました。あなたの心と体はお元気でしょうか? こんにちは、精神科医・産業医の奥田弘美です。

さてどの会社にも人事担当者や上司が頭を悩ます「困った社員」が必ずいて、産業医にもしばしば相談が持ちかけられます。人事や上司が「困った」と感じる内容は多種多様ではありますが、その中には「仕事はすごくできて会社の利益には貢献している」にもかかわらず、人事や上司に「困った社員だ」と嘆かれてしまう残念なパターンがあります。

このパターンは非常に厄介で、会社に利益面では貢献してくれているため、人事担当者や上司も強く注意や指導がしにくい。また本人は、「自分は会社にとって有益だ」という自負が強いため、「会社を困らせている」という自覚がない場合が多く、指導や注意を素直に受け止めてもらえないことが多々あります。

本連載読者の皆様がこのような残念なパターンに陥らないよう、他山の石としていただくべく、いくつかのケースに分けて紹介したいと思います。

【ケース1】部下をメンタル不調にするクラッシャー型上司

若いころから仕事はバリバリできるし結果もずっと出し続けている。当然ながら順調に役職が上がり、部下を持つようになる。しかし困ったことに、その人の部下になった社員が次々とメンタルを病んでいく。もしくは会社を辞めてしまう。こういう次々と部下をつぶしていく社員は一般的に「クラッシャー型上司」と評されます。

クラッシャー型上司になってしまう人は、感情コントロールができずパワハラやモラハラをしてしまう、という人が多いようです。仕事がバリバリできる人の中には、外面がよく内面が悪い、つまり身内に対して感情コントロールがきかない人が一定数存在します。最近はパワハラ研修も頻繁に行われているため、物を投げる、暴力をふるう、明らかな人格否定ワードでけなすといった分かりやすいパワハラは減ってきましたが、まだまだパワハラ的な言動をする上司は存在します。

機嫌が悪いと語気の強い言葉で怒鳴り散らす、大声を出して人前で叱るなどの「怒り」の感情コントロールができない上司の下では、怒られる対象になっている当人ばかりか、その周辺にいる人も心を病んでいくことが多々あります。自分に関係のない怒声であってもそのネガティブパワーは計り知れず、恐怖と緊張を部署全体にまん延させてしまうのです。

産業医面談や診療の際に、「毎日毎日、誰かが部長に怒鳴られているのを見るのがつらくて、最近は部長の怒鳴り声を聞くだけで動悸(どうき)と冷や汗が止まらなくなってきました」といった相談を受けたことが複数回あります。

また、怒鳴らないまでも、不適切な比喩や陰湿な皮肉を使って相手の心を傷つけるタイプの上司もいます。例えばミスを犯した社員が謝っているにもかかわらず、「こんなミスをするなんて、本当に○○大学出ているの?」とからかったり、「これって一度罪を犯したら前科者になっちゃうのと同じじゃない?」などと皆の前で皮肉ったりして、心理的ダメージを負わせた上司がいました。

また自分のストレスやプレッシャーを紛らわすために、常に「いじめるターゲット」を作って、その部下の仕事ぶりを毎日細かにチェックしてダメ出しを繰り返すタイプの人もいます。ヒアリングすると上司側は「できない部下を徹底的に指導していたのに」と反論することも多いようですが、ネガティブな注意や指導を連日ネチネチと繰り返すのは明らかに行き過ぎで、ターゲットになった大抵の部下はメンタルを病んでしまいます。

こうした理由で、仕事ができるにもかかわらず「クラッシャー型上司」となってしまった社員に対しては、会社として対応に大変困ることになります。たとえその人が利益を上げていたとしても、次々と部下をつぶされてしまっては、結局のところ会社にはそれを上回る損害が発生するからです。

何度か人事部から指導や注意を与えても状況が改善されない場合は、「部下を持たせては危険だ」という判断となり、直属の部下を持たさない1人部署に異動させられる人も少なくありません。

感情のコントロールが苦手、よく怒りやイライラを周りにぶつけてしまうという方は、アンガーマネジメント法を学んだり、マインドフルネス瞑想(めいそう)を取り入れたりして、自分の感情に振り回されない訓練をなさることをお勧めします。

またイライラしたらつい嫌みや皮肉を言ってしまうという人は、コーチング(部下などの自発的行動を促す指導法)やアサーティブネス(自他を尊重した自己表現のこと)などのコミュニケーション法を学んでみると、他者への言葉の影響が理解できるとともに適切な表現方法が学べると思います。

【ケース2】会社に対する批判を声高に繰り返す

仕事ができる社員の中には、頭が鋭く回転する人が多くいます。そのせいか会社の制度の欠陥や、作業手順や人事制度の不合理性にも敏感に気づくことが少なくないようです。そのため、中には声高にそのことを社内で指摘する人がいます。しかるべき会議で改善ポイントとしてオフィシャルに提案したり、自分の上司や役員に改善を適切に要望したりするのであれば問題ないのですが、同僚や後輩相手に会社の批判をガンガン繰り返し、不満をぶちまける社員が時々います。会社側としては、これが非常に困るわけです。

仕事ができると一目置かれている社員は、社内でもカリスマ性や影響力を持つ場合が多いため、その社員が若手社員に会社の批判を繰り返すと若手社員もそれに同調し、会社に不満を持つようになってしまいます。そうなると会社へのロイヤリティーが低下し、仕事の質が下がる原因になりかねません。最悪の場合は離職にもつながってしまいます。

仮に若手社員がそれに同調しなかったとしても、先輩社員からしょっちゅう会社の批判や悪口を聞かされるのはストレスがたまります。「先輩で職位も上の人なので、会社に対する愚痴や批判でも一応ちゃんと聞かなきゃいけない。でも安易に同意して自分も同じ意見だと会社に思われたら困るので、すごく対応に気を使って疲れ果てました」と、軽いメンタル不調になりかけていた社員に出会ったことがあります。

こうした不満社員を上司に持つ人の場合、「愚痴や批判ばかり聞かされるのはつらいので、直属の部下から外してほしい」と異動希望を出すこともあります。

仕事ができ利益も上げている社員に対しては会社側もなかなか面と向かって注意や指導がしにくいようですが、あまりにも社内の士気を下げたり後輩社員に悪影響を与えたりするようだと、評価が相殺されマイナスになることもあるので要注意です。

本連載をお読みの方はきっと意識の高い仕事熱心な方が多いと思われますが、もし会社の仕組みや制度に不満や欠陥を感じているとしたら、安易に後輩や同僚に愚痴るのではなく、建設的な改善プランとして会社や上司に前向きに提案されることをお勧めします。

同僚や後輩社員相手に批判や愚痴を繰り返すと、まわりまわって会社の経営陣に伝わり、「反体制派」「危険人物」とレッテルを貼られることになりかねません。そうなると、せっかくの仕事での頑張りや努力が台無しになります。ストレスがたまって愚痴りたいときは、会社と関係のない人を相手に毒出しするように心がけましょう。

以上、仕事ができるのに会社や人事が困る社員のパターンを2つに分けてご紹介しました。次回記事ではさらに2つのパターンをご紹介したいと思います。お楽しみに。

奥田弘美
精神科医(精神保健指定医)・産業医・労働衛生コンサルタント。1992年山口大学医学部卒。精神科医および都内20カ所の産業医として働く人を心と身体の両面からサポートしている。著書には『心に折り合いをつけて うまいことやる習慣』(すばる舎)、『1分間どこでもマインドフルネス』(日本能率協会マネジメントセンター)など多数。日本マインドフルネス普及協会を立ち上げ日本人に合ったマインドフルネス瞑想(めいそう)の普及も行っている。

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