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仕事はできるのに「困った社員」 パターン別の対策 こちら「メンタル産業医」相談室(33)

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2019/6/3

自分でも気付かないうちに「困った社員」になっていませんか?写真はイメージ=(c)gstockstudio-123RF
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爽やかな緑と風が心地よい季節になりました。あなたの心と体はお元気でしょうか? こんにちは、精神科医・産業医の奥田弘美です。

さてどの会社にも人事担当者や上司が頭を悩ます「困った社員」が必ずいて、産業医にもしばしば相談が持ちかけられます。人事や上司が「困った」と感じる内容は多種多様ではありますが、その中には「仕事はすごくできて会社の利益には貢献している」にもかかわらず、人事や上司に「困った社員だ」と嘆かれてしまう残念なパターンがあります。

このパターンは非常に厄介で、会社に利益面では貢献してくれているため、人事担当者や上司も強く注意や指導がしにくい。また本人は、「自分は会社にとって有益だ」という自負が強いため、「会社を困らせている」という自覚がない場合が多く、指導や注意を素直に受け止めてもらえないことが多々あります。

本連載読者の皆様がこのような残念なパターンに陥らないよう、他山の石としていただくべく、いくつかのケースに分けて紹介したいと思います。

【ケース1】部下をメンタル不調にするクラッシャー型上司

若いころから仕事はバリバリできるし結果もずっと出し続けている。当然ながら順調に役職が上がり、部下を持つようになる。しかし困ったことに、その人の部下になった社員が次々とメンタルを病んでいく。もしくは会社を辞めてしまう。こういう次々と部下をつぶしていく社員は一般的に「クラッシャー型上司」と評されます。

クラッシャー型上司になってしまう人は、感情コントロールができずパワハラやモラハラをしてしまう、という人が多いようです。仕事がバリバリできる人の中には、外面がよく内面が悪い、つまり身内に対して感情コントロールがきかない人が一定数存在します。最近はパワハラ研修も頻繁に行われているため、物を投げる、暴力をふるう、明らかな人格否定ワードでけなすといった分かりやすいパワハラは減ってきましたが、まだまだパワハラ的な言動をする上司は存在します。

怒りのコントロールができない人のネガティブパワーは部署全体をどん底に突き落とす。写真はイメージ=(c)Peter Bernik-123RF

機嫌が悪いと語気の強い言葉で怒鳴り散らす、大声を出して人前で叱るなどの「怒り」の感情コントロールができない上司の下では、怒られる対象になっている当人ばかりか、その周辺にいる人も心を病んでいくことが多々あります。自分に関係のない怒声であってもそのネガティブパワーは計り知れず、恐怖と緊張を部署全体にまん延させてしまうのです。

産業医面談や診療の際に、「毎日毎日、誰かが部長に怒鳴られているのを見るのがつらくて、最近は部長の怒鳴り声を聞くだけで動悸(どうき)と冷や汗が止まらなくなってきました」といった相談を受けたことが複数回あります。

また、怒鳴らないまでも、不適切な比喩や陰湿な皮肉を使って相手の心を傷つけるタイプの上司もいます。例えばミスを犯した社員が謝っているにもかかわらず、「こんなミスをするなんて、本当に○○大学出ているの?」とからかったり、「これって一度罪を犯したら前科者になっちゃうのと同じじゃない?」などと皆の前で皮肉ったりして、心理的ダメージを負わせた上司がいました。

また自分のストレスやプレッシャーを紛らわすために、常に「いじめるターゲット」を作って、その部下の仕事ぶりを毎日細かにチェックしてダメ出しを繰り返すタイプの人もいます。ヒアリングすると上司側は「できない部下を徹底的に指導していたのに」と反論することも多いようですが、ネガティブな注意や指導を連日ネチネチと繰り返すのは明らかに行き過ぎで、ターゲットになった大抵の部下はメンタルを病んでしまいます。

こうした理由で、仕事ができるにもかかわらず「クラッシャー型上司」となってしまった社員に対しては、会社として対応に大変困ることになります。たとえその人が利益を上げていたとしても、次々と部下をつぶされてしまっては、結局のところ会社にはそれを上回る損害が発生するからです。

何度か人事部から指導や注意を与えても状況が改善されない場合は、「部下を持たせては危険だ」という判断となり、直属の部下を持たさない1人部署に異動させられる人も少なくありません。

感情のコントロールが苦手、よく怒りやイライラを周りにぶつけてしまうという方は、アンガーマネジメント法を学んだり、マインドフルネス瞑想(めいそう)を取り入れたりして、自分の感情に振り回されない訓練をなさることをお勧めします。

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