検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

大型研究が増加 産学連携はイノベーション起こせるか

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

民間企業と大学が協力して技術開発や研究に取り組む「産学連携」の規模が膨らんでいます。企業側には、外部の知恵を取り込みながらイノベーションを起こす狙いがあり、連携する分野も広がっています。

文部科学省は、全国の国公私立大学と民間企業との共同研究、受託研究といった産学連携の現状を調べています。2017年度の民間企業からの研究資金の受け入れ額は約960億円と前年度に比べ13.3%増えました。伸びが大きいのは受け入れ額の6割以上を占める共同研究で、同15.7%増の約608億円でした。1件当たり1000万円以上の「大型の共同研究」が同24.3%増え、全体をけん引しています。

政府は、25年度までに企業から大学への投資額を14年度に比べ3倍に増やす目標を打ち出しています。研究資金の受け入れ額に限ってみると、現在の伸びを維持できれば、目標を達成できる見通しです。

文科省の担当者は「大学は公共財であり、研究の成果を社会に役立てようとするなら産業界と協力したほうがよい」と言います。政府は18年、産学連携を促す目的で、民間企業から大型の研究資金を呼び込んで研究開発プロジェクトのマネジメントを担う「オープンイノベーション機構」を全国8つの大学に設けました。今後、同様の組織を増やす方針です。

民間企業からの共同研究費の受け入れ額が最も大きいのは東京大学です。総長直轄の「産学協創推進本部」が窓口となり、民間との協力案件を増やしています。同本部の福田敦史副本部長は「大学教員が個々に民間企業と協力する案件は規模が小さくなりがち。企業と大学が組織同士で協力すれば、対象が大きく広がる」とみています。

18年12月には、空調大手のダイキン工業と協定を結びました。同社は10年間で約100億円の資金を拠出する計画で、日本企業と大学との協力としては空前の規模です。人材の交流を深めながら個別案件の共同研究、未来社会のビジョン作りの2つのテーマで継続して成果を出したいと考えています。

同社は大阪大学、京都大学とも協力しています。河原克己テクノロジー・イノべーションセンター副センター長は「当社は従来、自前主義にこだわらず世界中の人材を活用するという考え方のもとで海外企業との技術協力にも取り組んできた。大学との連携もその一環」と説明します。

大型化が進むと企業にとって無駄な投資に終わるリスクも高まります。連携の成果をいかに検証し、軌道に乗せるかが課題といえます。

福田敦史・東京大学産学協創推進本部副本部長「東大を全国の一つのモデルに」

民間企業からの共同研究の受け入れ額が国内トップの東京大学は、産業界との協力やベンチャー支援にどう取り組んでいるのでしょうか。東京大学産学協創推進本部(推進本部)の福田敦史副本部長に現状を聞きました。

――推進本部の役割は。

「総長直轄の組織で、もともと産学連携本部という名称でしたが、五神真総長が2015年に就任後、現在の名称に変えました。産と学が組むのであれば、単に連携するだけでなく、協力して新しい社会を創っていきたいとの意図を込めた名称で、様々な取り組みを強化してきました」

「かつては『大学教員たる者が企業と組むのはいかがなものか』と考える人も少なからずいました。今では『いかに企業と組んで世の中に成果を発信していくか』と考える教員が多くなっています。推進本部の中には大学発ベンチャーの支援や産業界との協力プロジェクトの創出を手掛けるイノベーション推進部、知的財産の管理と活用を担う知的財産部、事務を担当する産学連携部があります。このほど、産業界との個々のプロジェクトのマネジメントを担うオープンイノベーション機構も発足しました」

――ダイキン工業との協力をはじめ、東大が企業との大型案件に注力するのはなぜですか。

「東大は現在、約1800件の民間との共同研究プロジェクトを進めていますが、1件当たりの受け入れ額は平均約400万円です。それだけでは、世の中を変えるような共同研究は難しいでしょう。大学にはまだまだポテンシャルがあるはずだし、企業もオープンイノベーションに注目しています。大学と企業との大型協力は、時代にマッチしているのではないでしょうか」

「ダイキンとの協力は、ダイキンの井上礼之会長と五神総長とのトップ同士の交流、意見交換の中でまとまりました。様々な交渉ルートがあってよいですが、組織同士で協力するなら、東大側は推進本部が窓口です。16年6月には日立製作所との間で、政府が提唱する、あらゆる人が質の高いサービスを受けられる『超スマート社会』の実現に向けたビジョンづくりと実行を目指すための協力に踏み切りました。さらに同年9月、NECとの間でAI(人工知能)に焦点を定めた研究・教育に関する協力協定を結びました」

――東大のセールスポイントは。

「文系と理系の総合力があります。また政府との関係が緊密で、政界や経済界をはじめ、長い歴史の中で培われた人的ネットワークもあります。個々の教員や学生の質も高く、企業側の多様なニーズに応えられる人材を備えています」

――東大発ベンチャーの現状は。

「東大に関連するベンチャー企業は過去15年間の累計で350社を超えています。今後も年間30~40社程度の起業を見込めます。東大での研究成果を活用する教員主導のタイプが多いですが、学生による起業もあります。東大の新入生にアンケート調査をすると、約1割の人は起業家になりたいと答えています。学生の意識はかなり変化しています」

――どんな方法で支援していますか。

「本郷キャンパスに、07年にアントレプレナープラザ、18年にアントレプレナーラボというインキュベーション施設を設け、東大関連のベンチャー企業の拠点にしています。プラザには約20社が入居し、ラボもほぼ満杯になっています。学生のための開発拠点、本郷テックガレージも運営しています」

「外部の組織として、東大が保有するライセンスの営業を担う技術移転機関(TLO)である東京大学TLOやベンチャーキャピタルの東京大学エッジキャピタル(UTEC)、起業を支援する東京大学協創プラットフォーム開発などがあり東大発の起業を促しています。本郷はベンチャーの集積地になりつつありますが、本郷だけが活気づけばよいわけではありません。一つのモデルとなり、大学発ベンチャーが全国で増えればよいと思っています」

(編集委員 前田裕之)

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_