変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

異なる業界や職種への転職という、新たな階段を上るチャレンジが求められるようになりつつある。写真はイメージ=PIXTA

異なる業界や職種への転職という、新たな階段を上るチャレンジが求められるようになりつつある。写真はイメージ=PIXTA

トヨタ自動車の豊田章男社長が「企業へのインセンティブがもう少し出てこないと、終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言し、日本の終身雇用にいよいよ赤信号が灯ったと大反響を呼びました。一方、4月27日付の日本経済新聞朝刊では、2018年の転職者数は17年比5.8%増の329万人と、8年連続で増加し、中高年の転職が活性化している現状が伝えられました。「終身雇用なき人材流動化」の時代に、個々人がどのように70代まで働くキャリア生活を描いていくべきかを、全世代のビジネスパーソンが真剣に考えるべき時代がやってきたようです。

新しい前提は「長く、いろいろな職場で働くこと」

労働力調査の年代別調査では、10年前の2008年には全転職者の52%を占めていた「32歳以下の若年層」が、2018年に43%まで低下し、逆に10年前には27%しかなかった「45歳以上の中高年層」の割合が、38%にまで高まっています。その背景には、年齢が高いほど給料が上がる年功序列が崩れ、若年層も中高年も同じ給与水準で雇用できることになってきたことも一因のようです。

日本経済新聞の上記記事によると、慶応義塾大学の山本勲教授は「環境変化が激しくなるなか、社内だけで人材を育成する合理性は低下してきた。雇用の流動化が進めば、企業の利益率や労働生産性は上昇する」と指摘していて、今後さらに雇用の流動化は進んでいきそうな気配です。

また、日本の労働生産性は、2020年には経済協力開発機構(OECD)平均の1.094に対して、1.046と大きく後れを取ることになると予測されています。日本生産性本部によると、宿泊や飲食業界の労働生産性(17年の就業者1人当たり)は、IT業界の4分の1程度にとどまっており、ロボットの活用などで、さらなる生産性の向上が求められています。

そして5月15日には、希望する高齢者が70歳まで働けるようにするための高年齢者雇用安定法改正案の骨格が政府から発表されました。70歳まで定年を延長するだけでなく、他企業への再就職の実現や起業支援にも企業が努力義務として取り組まなければならなくなるという政策です。

これらの情報をまとめると、働き方をめぐる今後の社会環境は以下のような方向に進んでいるということになります。

・1社だけで終身雇用される時代は終わろうとしている
・人間にしかできない、生産性の高い働き方が求められるようになる
・これまでより長く、70代まで働く環境になる

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック