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ブレザーの変遷と最新トレンドを知る 賢者2人のファッション談議

MEN’S EX

2019/6/8

MEN'S EX

’60年代の日本でのアイビーブーム以来、何度も男の着こなしの主役となってきたブレザー。識者2人が語るその変遷と、歴史の延長上にあるブレザーの“今”とは?

左:中村達也さん ビームス クリエイティブディレクター/1963年新潟県生まれ。ビームスのドレスクロージング部門を統括し、世のトレンドを牽引。ブレザーは大好物で、現在7着を所有。
右:綿谷 寛さん イラストレーター/1957年東京都生まれ。小学校3年生のときに兄の雑誌を見てお洒落に覚醒する。愛称は画伯。トラッドに精通するウェルドレッサー。

アイビーの時代はルールに則って着ることが善だった

M.E. 各時代のファッションの潮流を知るお二人に、ブレザーの変遷について伺いたく、本日はお越しいただきました。お二人は最初にブレザーを着たときのことを覚えていますでしょうか?

綿谷 僕が初めて買ったのは19歳のときで’76年くらい。この頃は『メイド・イン・USAカタログ』の影響で、トラッドの人気が再燃していた。ブランドはやっぱり、VANあたりだったのかな。3つボタン段返りで、オーソドックスなブレザーでした。

中村 僕も’70年代の終わり、高校生のときに着た覚えがあります。世の中ではヒッピーやピーコックといった派手な着こなしも流行りましたが、日本では’60年代のアイビーブームの影響が凄くて、’70年代もこの流れが強く残っていましたね。当時はハウツー本があって、その通り着ないといけないとされていた。僕もBDシャツやレジメンタルタイを合わせてマジメに着ていましたね。

M.E. その後、ブレザーはどう変遷していったのでしょう。

綿谷 ’70年代の終わり、ラルフ ローレンが知られるようになった頃“ブリティッシュアメリカン”というスタイルが流行りました。それまでの3B段返りのボックスシルエットじゃなく、フロントはボタン低めの2B。ウエストが絞られてるのが印象的でした。

中村 セザラニとかジェフリー・バンクスとか、NY系デザイナーが考えるブリティッシュスタイルというのが流行したんですよね。

綿谷 “大人のトラッド”みたいな感じで格好よかったなぁ。

中村 もう少し経つと映画の『炎のランナー』(’81年)が流行して。

綿谷 雑誌の街頭スナップもパイピングブレザーだらけ。カンカン帽被っちゃって(笑)。今日持参した昔の雑誌にも「’82年、『炎のランナー』の影響でクラブマンルックの人気高まる」とありますね。

中村 プレッピーが出てきたのもこの頃ですね。BDシャツの中にポロシャツを挟み、その上にブレザーを着るという。アイビーリーグを目指すような有名私立校に通う少年達のスタイル、という触れ込みでした。

綿谷 鮮やかなケリーグリーンのポロシャツにピンクのパンツを合わせたり、当時は衝撃的でした。

中村 フレンチアイビーやフレンチトラッドという言葉もこの後から使われ出した。放出品の軍パンにブレザーを合わせたり、BDシャツの首元にアスコットタイを巻いたり。今までルール通りに着るのがお洒落とされていたが、次第に“ブレイキングルール”がお洒落に映るようになった。

綿谷 今では当たり前の着こなしですが、アンディ・ウォーホルがブルーデニムにブレザーを合わせたのを見たときは驚きました。

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