名作アニメ次々、タツノコプロの半世紀 笹川監督語る

ギャグSFアクションとして、大爆笑ギャグにカッコかわいいメカと多彩な魅力を持った「タイムボカンシリーズ」。子どもたちだけでなく、世の大人たちも虜にしてブームを巻き起こした本シリーズは、主人公たちを差し置いて圧倒的な人気を誇った「三悪」と呼ばれる存在なしでは語れない。

カッコかわいいメカなどで人気を呼んだタイムボカンシリーズの「ヤッターマン」(C)タツノコプロ

「『タイムボカン』の場合はね、悪玉と善玉がいて、愉快で楽しい冒険ものを作ろうとしたんですよ。どんな悪人がいいだろうとなった時に、誰かが『3人組にしてボスを女の人にして、しかもボスが美人だったらどうですか?』と言い出して、吉田(竜夫)さんが『それ面白いな!』って言いながらその場で書き始めたんですよね。吉田さんはアメコミをよく読んでいて、それを取り入れたようで。僕としては、その頃に女優のブリジット・バルドーが人気でね。金髪でカワイイし。だから、『そういうのが親分だったらいいんじゃないですか?』と言って描いてもらったんですよ。他の2人は頭脳派と肉体派にして、すごく頭がいいんだけどどこか抜けている科学者と、何も考えないでただ力を自慢する人というキャラクターに決まったんです」

「タイムボカンシリーズ」は当初からシリーズものとして制作されていなかったが、結果的にシリーズ第1弾となった「タイムボカン」が大ヒットしたことにより、超人気ロングラン・シリーズとして始まることになった。

「『タイムボカン』を1年ぐらい予定してやっていたんですけど、視聴率がドンドン上がってね。これは化けるということで、1年たってチェンジするときに次は何にするかということになったんですよ。それで、せっかくやってもらったのにすぐ変えるというのは惜しいからということで、『ヤッターマン』をやろうということになったんです。三悪は面白いからそのまま残そうということになって、ヒーローとヒロインだけ変えて。また1年たって、次は何するかと言いながら8年間で7本やったんですよ。『ヤッターマン』から『オタスケマン』とか色々ね。そのたびにメーカーとも会議して、次回の企画を決めました。三悪は三悪なんですけどね。玩具メーカーの方のほうが熱心になってやっていただいたんで、続けられたんですね」

基本的な設定やコンセプトを踏襲した「タイムパトロール隊オタスケマン」などが制作された(C)タツノコプロ

さらに、「タイムボカンシリーズ」では超合金のおもちゃが異例の大ヒットとなった。そこには、1972年にタツノコプロに入社して数々のメカを生み出し、やがて社外でも「機動戦士ガンダム」などのメカデザインに携わったメカニックデザイナー・大河原邦男の力が大きく関わっていた。

「子どもたちが超合金のおもちゃを買いに行くんだけど、売り切れていて泣いている子がいたんですよ。かわいそうだなと思いながらも嬉しくてね。その頃からですよ。玩具メーカーが『アニメをやれば売れる』となったのは。玩具メーカーは同じメカで1年やって、2年目になると次の新しいものが欲しくなるんですよね。『ストーリーは面白そうですけど、メカは何が出るんですか?』と。それで、大河原さんに来てもらって、メカ会議をやるんです。ある程度のストーリーラインがありますから、メカのイメージもだいたい決めているんですが、大河原さんが『こっちの方がいいんじゃないですか?』と提案してくれるんです。大河原さんって器用な人で、木型でメカの原型を作っちゃうんですよ。これをこう変えたら、こういう風に変形するというところまで考えてくれるんです。だから、大河原さんがいてくれるとメーカーを説得するには楽ですよね。その木型を見せたら、玩具メーカーの担当の方が『これはいい。いけるな! これで発進!』と言って、それで決まるんですよ」

日本アニメ界を牽引し、多くの視聴者を夢中にさせてきたタツノコプロ。レジェンド笹川の言葉とともに、動画配信サービスParavi(パラビ)にて配信されているタツノコプロの過去の名作から最新作でタツノコ・ヒストリーを振り返ってみてはいかがだろうか。

(敬称略)

(C)タツノコプロ

『マッハGoGoGo』『宇宙エース』『新造人間キャシャーン』 (C)タツノコプロ

[PlusParavi(プラスパラビ) 2019年5月2日、3日、4日付の記事を再構成]

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