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軽い・鏡面・メンテが手軽 こだわりが面白い包丁3選

合羽橋の台所番長が斬る! いまどきの料理道具を徹底比較

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NIKKEI STYLE

合羽橋の老舗料理道具店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏がイマドキの調理道具を徹底比較。今回は、開発にこだわりすぎて注目されている3種類の包丁を取り上げる。

◇  ◇  ◇

こんにちは、飯田結太です。料理をするときに欠かせない調理道具のひとつに包丁があります。ある調理道具メーカーの方が「包丁から料理は始まる」と言っていたのですが、その通り。包丁がよく切れて使いやすいと料理も楽しくなる。包丁にストレスがなければ、調理過程でもストレスはほとんどなくなると思います。それほど包丁は重要。

現在、業務用、家庭用ともに最も使われている包丁は、三徳包丁です。これは、欧米から西洋料理とともに日本に伝わった肉切り用の牛刀と、日本で使われてきた野菜切り用の菜切り包丁を組み合わせたもの。肉、魚、野菜に使える万能包丁です。

今回は、数ある三徳包丁のなかでも、使いやすさ、長続きする切れ味で評判だけど、開発にこだわりすぎて、良い意味で「変態」ともいえる3製品を紹介します。

羽根のように軽い包丁

ここ数年、調理道具では「軽量」がトレンドのひとつで、フライパン、鍋、まな板など、主要な道具はどんどん軽量化しています。包丁も同様。通常、包丁の重量は約120g前後(ステンレス包丁の場合)。しっかりと重さのある包丁が良いといわれてきました。そんな常識を覆す包丁を開発したのが、チタンやセラミック製品を開発しているフォーエバー(埼玉県川口市)。

同社ブランド「ridge(リッジ)」の包丁は、めちゃくちゃ軽い。刃渡り約16.5cmの三徳包丁で重さは約67g。「おもちゃ?」と勘違いするほど軽量です。それでいて、切れ味は一般的なステンレス包丁に勝るほど、気持ちよく切れます。

素材はチタン。そこにダイヤモンド粒子や銀などの粉末を混ぜて成形しています。硬いため、摩耗に対する耐久性も高く、英国の検査機関の刃物耐摩耗性試験では、一般的なステンレス刃の約67倍もの耐久性があったのだそう。要するに、ステンレス包丁よりも長く切れ味が続くので、研ぐ回数も少なくて済むということ。ただし研ぐ場合はダイヤモンドシャープナーが必要という点が弱点ですね。

メリットは他にもあります。ステンレス製包丁は意外とさびますが、チタンは半永久的にさびません。さらに、銀を含有しているので抗菌性があり、雑菌の増加も防げます。また、人工歯根や人工骨に使われるほどアレルギーが起こりにくい素材なので、金属アレルギーがある人にもおすすめ。

デザインも工夫されています。柄は、刃の付け根から端部に向かってひし形になっていてとても持ちやすくてすべりにくい。

業務用として使われることはほとんどありませんが、腕の力が弱い人、高齢者、金属アレルギーを持っている人などにおすすめです。あまりにも軽すぎて驚くと思いますよ。

プロのための超高級ステンレス包丁

職人の街として知られる堺市。その中で、プロ用の包丁を手がけている老舗が河村刃物(1926年創業)です。河村刃物といえば、「堺菊守(さかいきくもり)」ブランドが有名ですが、その職人たちが、さらに最高品質のプロ用包丁を作りたいと立ち上げたのが「重陽」です。

重陽は、火造りから研ぎまでを熟練の職人が手作業で行った包丁。包丁は、素材の硬度が高いほど高級品とされていますが、重陽は、ステンレス素材の中でも硬い最高級の安来鋼銀紙参号(やすきはがねぎんがみさんごう)を使用しています。一般的に、硬度が高い包丁は切れ味がいいのですが、欠けやすい、粘りが少なくて、研ぎにくいという弱点があります。しかし、この包丁は、硬度が高いのにきちんと粘りもあって刃持ちが良く、研ぎやすさも兼ね備えているのがすごい。

そして、細かいところまでこだわりすぎているのも、重陽の特徴。まず柄の部分。衛生面やメンテナンスのしやすさから、樹脂素材の柄が増えているのですが、重陽は、まな板などにもよく使われるホオノキを使用。菜切りや魚用などの和包丁に木製の柄が使われることは良くあるのですが、三徳包丁に使われるのは珍しいんです。また、柄はプロに評判がいい八角形。持ちやすいのがいいですね。

もう一つのこだわりは刃。刃には3つのポイントがあります。1つめは、顔が映りこむほどの鏡面仕上げにしているところ。手間ひまがかかりますが、鏡面にすることで、汚れがつきにくく、さびにくくなり、洗いやすくなります。これは、特に魚をさばく和食の職人が使う包丁に用いられる方法。鏡面にすることで、生魚の汚れなどが洗い落としやすくなるんです。和食店の格を判断するのに、職人が鏡面仕上げの包丁を使っているかどうかが基準のひとつになるほどです。

2つめは、刃の反対側、背にあたる部分で「ミネ」と呼ばれるところ。指で押さえる部分ですが、長く使っていると指が痛くなります。その点を考慮して、丁寧に面取り加工がされています。

3つめは、「アゴ」と呼ばれる部分の加工。アゴは、刃の一番下、柄寄りの角になっている部分のこと。ここが一般的な包丁よりも少し広く、丁寧に磨き上げられています。硬い食材を切るときに、ここを指で押さえますが、重陽は指あたりが軟らかくて痛くなりません。

これらすべてが手作業で職人のこだわりが満載すぎるため高額ですが、いつかは使ってみたい包丁です。

構想から商品化まで4年、職人の欲求を満たしすぎた包丁

プロ用としても、家庭用としても人気が高い三星刃物(岐阜県関市)の包丁。渡辺隆久社長の奥さま友佳理さんが主宰するパン教室の生徒との会話をきっかけに誕生したのが「和 NAGOMI」包丁です。プロが使える品質で、家庭で手軽にメンテナンスができて長く切れ続ける包丁を目指したのだとか。これはクオリティーが高く、私が知る限りではコスパが良すぎるほどです。

素材は、硬度が高くさびに強くて粘りのあるステンレス、モリブデン鋼440A。そして、最高級包丁に用いられる4段階の研ぎ加工がされています。なのに、価格は1万円(税別)とコスパ良し。

この包丁のすごいところは、「家庭でも手軽にメンテナンスができる」ことを実現するためにこだわりすぎた結果、開発を始めてから商品化されるまでに4年もかかっていることです。

まず刃の部分。独自の焼き入れ方法で鍛えて、刃をかなり鋭角に仕上げています。これによって、月に1~2回、新聞紙で研ぐだけでかなり切れ味が持ちます。新聞紙に対して包丁の背の部分を約15度浮かせて、こする音が聞こえるほどに強く押さえて10回程度ずつ両面をこするだけ。私も実際に新聞紙で研いで納得しました。切れ味が戻るんです。

それでも切れ味が鈍ってきたら、今度は耐水サンドペーパー400番でこすればOK。最終的に切れなくなったら、三星刃物に送る。包丁には、研ぎ直し券(1回分、2回目以降は税別1600円)が付いています。これもプロ品質で手軽に使えるためのサービスです。

もう一つのこだわりは、柄の部分。柄には、刀身を支えるために打ったリベットがありますが、柄を丁寧すぎるほど磨き上げているので、リベットが消えています。結果、柄にはまったく凹凸がなくてなめらか、手にしっくりとなじみます。また、持ちやすいように丸みを帯びた形状にしているので木目が美しいんです。この磨き技術の試行錯誤で約4年の月日をかけてしまったのだとか。妥協せずに商品化したところに脱帽です。

和 NAGOMIシリーズは、持った瞬間から職人の手作業の細やかさが分かるもの。これから料理を始める人にもおすすめします。(談)

(ライター 広瀬敬代)

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