契約社員の処遇見れば分かる 会社の働き方改革の本音20代から考える出世戦略(59)

 いくら目の前の仕組みで多様性を認めているように見せたところで、会社側が働く側の従業員に対して求める行動や成果を変えない限り、何も変わらないのが現実です。

 本当に働き方を変えようと思うのなら「自社の従業員に期待すること」をはっきりと示せなくてはいけないのです。

 たとえばかつて多かった「勤務時間の30分前には席について執務の準備をし、決まった時間に一斉に休憩を取り、上司が帰るまで帰れないので全員で自然とサービス残業をしてしまう会社」が自社の従業員に期待していたことは「滅私奉公」でした。そのかわり定年まで雇用して退職金も払いますよ、という構造だったわけです。いわゆるメンバーシップ型の働き方です。それはそれで、とても強いメッセージでした。

 しかし今の働き方改革の中で、ここがブレている会社がとても多いのです。

 特に経営幹部や管理職は昔ながらのメンバーシップ型で働いてほしいというのが本音であるのに、多様な働き方を導入してみても機能しません。むしろ「出世するには多様な働き方とか言ってちゃだめだ」ということが裏メッセージになるわけです。

 だから多様な働き方を促進する中で、会社の本気度を測る人事制度の運用基準は「管理職以上が働き方改革をできているか」です。

 若手社員や非管理職社員をちゃんと定時で帰らせ有給休暇もとらせるしっかりした会社でも、管理職以上の働き方に本音が隠れています。

 管理職会議が定時の後から始まっていたり、持ち帰り仕事をしていたりするような会社では、やはり本音のところが変革しきれていないのです。

 もちろんまだ変革途中ということも多いのですが、それが1年以上も続くようだと、多様な働き方改革は見せかけだけのものかもしれません。

もっと根本的な本音はこの制度を見る

 私が代表をつとめるセレクションアンドバリエーションで支援するクライアントでは、できる限り管理職以上の役職者や役員の働き方も変えようとしています。そしてそのためには、何を求めるのか、ということをもっと強く打ち出すようにしています。

 かつて「メンバーシップ型の働き方」が有効に機能していたのは、社会や経済が自然に成長していたからです。

 しかし今の時代はむしろ社会や経済が自然縮小する時代です。そんな時代に求めるべきは「個別の会社ごとの成長」に他なりません。社会が縮小したとしても、自社のビジネスは成長させなければいけない。そのためには個々人が成長することが求められるのです。

 だから人事制度もすべて「成長をあたりまえにする」ということを軸に設計することが増えました。

 そうした改革の中で、ここまでしっかりと改革できれば本物、という基準があります。

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