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アサヒグループホールディングスの小路明善社長兼CEO

アサヒグループホールディングスの小路明善社長兼CEO

「一定の期間、業績が基準を下回れば、社長を解任する」。アサヒビールを擁するアサヒグループホールディングス(GHD)の社長兼最高経営責任者(CEO)、小路明善氏(67)は、自らの独走を抑える仕組みを導入した。大型M&A(合併・買収)で傘下に収めた外国企業も含めてグループ2万8000人に育った組織を率いるリーダーとして、こだわるのはその透明性だ。

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――企業統治(ガバナンス)改革に取り組み、2019年3月の株主総会で、代表取締役を会長・社長の2人から社長1人に改めました。

「社長と会長にはそれぞれ役割があります。飛行機に例えるなら、社長は主翼、会長は尾翼です。尾翼が無ければ目的地に到達できません。進路を微修正していくのが会長の役割でしょう。社長は最高責任者として行動し、会長は取締役会議長に専念し、非執行役員として中立的な立場で取締役会の運営にあたるべきなのです。こうした考えについては泉谷直木会長と共有しています」

「これとほぼ同時期に、『トップを解任する基準をつくりましょう』と泉谷会長と相談しました。なぜかというと、社長の権限が強まるので『社長解任基準』を設ける必要があると考えたからです。つまり、結果が伴わなければ解任となるわけです」

社長がいつまでも自分勝手に振る舞うことはできない

「まず、売上高や利益、自己資本利益率(ROE)など、定量的な経営目標を設定しました。それぞれの目標が何年間か未達成であれば、解任基準に抵触します。こうした場合、指名委員会で議論し、取締役会で決議します。これによって、経営の透明性を非常に高めることができたと考えています。社長がいつまでも自分勝手に振る舞うことはできない仕組みを取り入れたのです」

「私の役割は役員のもつ専門性を生かし、相乗効果を最大限発揮できるようにすることです。2つの『きょうそう力』が大事だと思っています。まずは会社の『競争力』です。経営の競争力を高め、マーケットの変化を捉えて機敏に対応できる変化への競争力をつけること。もうひとつは『共創力』。みんなで力を合わせることで、新しいものを生み出していく力です」

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