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広がれ3人制バスケ 簡易コートでどこでも手軽に

2019/6/7 日本経済新聞 朝刊

簡易コートは2時間ほどで設置できる(5月4日、広島市)

競技用ボールなどで世界展開をしているモルテン(広島市)は3人制バスケットボールの普及に取り組む。このほどトラック1台で運べ組み立ても簡単な簡易コートの貸し出しを始めた。3人制バスケは2020年の東京五輪で正式競技に採用されたことで、国内でも人気が広がりつつある。同社では競技人口の裾野を広げ、事業基盤の強化にもつなげたい考えだ。

3人制バスケ「3×3(スリーバイスリー)」用の簡易コートは縦11メートル×横15メートルの広さで、ポリプロピレン製の床面パネル4千枚とゴールなどで構成する。4トントラック1台で運搬でき、屋内外を問わず2時間程度で設置できる。

5月4日には広島市で開かれた「ひろしまフラワーフェスティバル」で歩行者天国となった平和大通りにコートを設置。プロバスケットボールBリーグ2部の広島ドラゴンフライズの選手らがドリブルやシュートを披露し、観客を沸かせた。

これまでもプロチームが開くファンとの交流イベントや自治体行事で集客の目玉としてに使われることがあった。貸出料金は2日間で税別18万円。別途運送費がかかり、雨天中止などでも返金はしない。利用は同社のホームページから申し込む。月4件程度の利用を見込む。

モルテンはボールやタイマーなどの製造を手がけており、バスケはサッカーなどに並ぶ主力分野の一つだが、競技人口の拡大が課題だ。日本バスケットボール協会によると、18年度の登録競技者は約62万人。05年度(約60万人)からほぼ横ばいで推移しており、内訳では中学生が最も多い。

ただ、16年にBリーグが開幕。今夏の男子ワールドカップ(W杯)に続き東京五輪でも男女で日本代表の出場が決まるなど国内のバスケへの注目はかつてなく高まっている。これに3×3の普及が重なれば、新規プレーヤーの獲得に加え、かつてプレーしていた人の掘り起こしが見込める。

モルテンの民秋清史社長は「サッカーも『Jリーグ』創設とW杯の出場をきっかけに、手軽なフットサルを通じて広く普及した経緯がある。バスケにも同じ流れが期待できる」と話す。

■簡単にプレー、東京五輪の正式種目に

3人制バスケ「3×3(スリーバイスリー)」は通常のバスケットコートの半分、ゴール一つを使って3人の選手が攻守を入れ替えながら戦う。簡単にプレーできることから米国の街角などで楽しまれ、徐々に世界各地に広がっていった。

国際バスケットボール連盟(FIBA)は3人制バスケの五輪正式種目への採用を目指し、ルールを統一し、世界大会を開くようになった。そして17年、国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪の新正式種目の一つに採用した。東京五輪では青海アーバンスポーツパーク(東京・江東)を会場に男女とも日本を含む8チームが出場。決勝は7月29日の予定だ。

バスケットボールの普及の妨げとなっていたのが「気軽にプレーできる場所がないこと」とモルテンの3×3推進室の角田直介室長。簡易コートの利用で手軽な3人制を楽しむ人が増えれば、モルテンブランドの露出にもつながる。

モルテン製のボールは様々な大会の公式球に採用され、出場校や選手たちが購入する流れが主流だった。バスケブームを生かした戦略が軌道に乗れば、モルテン製品を「指名買い」するファンがさらに増える可能性も秘めている。

(河野真央)

[日本経済新聞朝刊2019年5月18日付]

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