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投信の運用者、信頼できるのは誰 月次リポートは必読 QUICK資産運用研究所 北澤千秋

2019/5/22

もちろん、どのファンドが信頼できるかを計る最重要の指標が、長期の運用成績であるのは言うまでもない。どんなに聞こえのよい言葉を重ねても、投資家にリターンをもたらせなければ評価するには値しない。

■日本株を空売りできない?日本の運用会社

それにしても、運用会社は誰に顔を向けて投信を運用しているのだろうか――。最近、そんなことを考えさせられる話を業界関係者から聞いた。大手の金融機関の系列運用会社は、「日本株を空売りしない」というのだ。

理由は簡単で、売りポジションが明らかになると、親会社を通じて株式を売られた企業から強烈なクレームが来るから。親会社の証券会社や銀行などにとって、企業は証券の引き受けや融資、M&Aの仲介など様々な業務の得意先。親会社の社員に案内されて、企業の株式担当者が「何で株を売るのか」と直接苦情を言いに来る例もあったという。

なるほどそう言われてみれば、割安な株を買って割高な株を売るロング・ショート戦略を採用する日本株投信は、独立系のスパークスなど一部の運用会社しか運用していない。株式市場の機能や企業の果たすべき役割さえ知らない上場企業には憤りを覚えるが、親会社の意向に唯々諾々だとすれば、運用会社の問題は深刻だ。

果たして、日本の運用会社は独立性をどのように担保して、どのように投資家や親会社との利益相反をなくそうとしているのか。運用会社が投資家の信頼を獲得する道のりは、なかなか遠そうだ。

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