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投信の運用者、信頼できるのは誰 月次リポートは必読 QUICK資産運用研究所 北澤千秋

2019/5/22

独立系は別にすると、国内の運用会社ではHPで主要ファンドの運用担当者を紹介しているアセットマネジメントOne、外資系では全ファンドの担当者を明記しているピクテ投信投資顧問などが目立つ程度だろうか。現段階では、運用担当者が顔見せしているだけでも評価の対象になる。

■月次リポートは大切な評価材料

名前は明かさなくても、ファンドマネジャーが自身の声を投資家に伝える手段はある。市場環境や運用状況を報告する月次の運用リポートだ。残念ながら、これも「若手社員のやっつけ仕事か」と思われるような素っ気ないものが大半なのだが、中には担当者のファンドへの思いが伝わってくるリポートもある。

一例が、三井住友DSアセットマネジメントが運用する三井住友・中小型株ファンドの月次リポートだ。運用担当の木村忠央氏が2003年9月の設定時から書き続けてきた「ファンドマネジャーからのひとこと」は、木村氏の運用に対する考え方や市場の見方、関心事、投資家への思いなどが読み取れて参考になるし、面白い。

独立系のGCIアセット・マネジメントが運用するGCIエンダウメントファンドの月次リポートでは、詳しい運用状況に加えて同社の山内英貴CEOが世界経済の展望を述べており、その世界観に共感できるかどうかが重要な投資の判断基準になる。このほか、スパークス・アセット・マネジメントが出す多くの月次リポートも、組み入れ銘柄の解説をはじめ、それぞれのファンドマネジャーの考え方が伝わってきて読みごたえがある。

月次リポートはファンドを定性評価する際の重要な手掛かりだし、運用担当者が投資家に対して誠実に説明責任を果たそうとしているか、なおざりにしているかという姿勢の違いもわかる。投信を購入する際、候補のファンドについては是非一読してほしい。

「我々とファンドの購入者は同じ船の乗員」。そう話すのはセゾン資産形成の達人ファンドなどを運用するセゾン投信の中野晴啓社長だ。中野社長は自身の個人資産の大半を同社のファンドで運用しており、多くの社員も同様という。独立系運用会社の場合、どれだけ投資家に利益を提供できたかは自社の経営にも直結する。自社の経営や自身の家計の将来がかかっているとなれば、運用への取り組み方も自ずと違ってくるだろう。

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